交通違反に対する不服申立方法

第0 目次

第1 交通違反(白切符,青切符及び赤切符)
第2 反則金制度
第3 意見の聴取,停止等の処分の軽減基準及び免許停止処分の猶予
第4 免許停止処分の猶予(30日又は60日の免許停止の場合)
第5 交通違反の点数に対する不服申立方法(審査請求及び行政訴訟)
第6 任意に違反点数を抹消してもらえる場合
第7 交通違反の取締件数及び違反点数
第8 速度違反の取締り,オービス及びレーダー探知機
第9 青切符及び赤切符に対する不服申立方法(刑事手続)
第10 取調べのための呼び出しに応じないことと,逮捕の必要性に関する最高裁刑事局作成の資料の記載

*1 以下のHPも参照してください。
① センターライン,車線変更線,バイクのすり抜け等
② 交通違反及び行政処分
③ 交通事故の量刑
④ 都道府県公安委員会に対する苦情申出制度
*2 警視庁HPに以下の記事が載っています。
① 交通違反の点数一覧表
② 反則行為の種類及び反則金一覧表
③ 運転免許統計
*3 警察庁HPの「警察庁の施策を示す通達(交通局)」「運転免許の取消し、停止等の行政処分に係る処分書の理由欄の記載要領等について」(平成28年10月24日付の警察庁交通局運転免許課長の通達)が載っています。
*4 普通に交通反則金を支払う場合,長野県警察HPの「交通反則通告制度についてよくある質問」が非常に参考になります。
*5 交通違反に関して相談したい場合,30分3000円の有料相談を利用してもらう必要があるのであって,電話又はメールによる無料相談には一切,対応していません。

第1 交通違反(白切符,青切符及び赤切符)

1 総論
(1) 交通違反がある場合,①白切符(違反点数のみの場合),②青切符(違反点数及び反則金の納付が予定されている場合)又は③赤切符(違反点数・行政処分及び罰金等の刑事罰が予定されている場合)を交付されます(TRENDERSNET HP「白切符,青切符,赤切符の違いをわかりやすく説明します。」参照)。
(2) 白切符が切られる例としては,①座席ベルト(シートベルト)装着義務違反,②幼児用補助装置(チャイルドシート)使用義務違反及び③乗車用ヘルメット着用義務違反(いわゆる二輪車のノーヘル)があります。
(3) 青切符の正式名称は「交通反則告知書・免許証保管証」であり,赤切符の正式名称は「告知票・免許証保管証」でありますところ,運転免許証を警察官に提出させられた場合,「免許証保管証」が運転免許証の代わりとなります。
(4) 青切符の目安は5点以下の違反点数であり,赤切符の目安は6点以上の違反点数です(交通事故・違反の法務相談室HP「交通違反の青切符と赤切符の違い」参照)。
(5) ブーマルHP「警察が一時停止違反の待ち伏せ!ムカつく取り締まりを賢く避ける方法」が載っています。

2 交通違反の点数
(1) 長野県警察HPの「運転免許の点数制度」に,基礎点数,付加点数のほか,運転免許の取消し・停止等の処分の基準点数が載っています。
(2)   人身事故を起こした場合,反則金とは別に,交通違反の基礎点数の他,被害者の治療期間及び加害者の不注意の程度に応じた付加点数が付きます

   例えば,追突による人身事故を起こした場合,少なくとも5点の違反点数(基礎点数2点及び付加点数3点)が付きます。
(3)ア 令和元年12月1日,携帯電話使用等により交通の危険を生じさせた場合,違反点数6点かつ刑事罰の対象となり,携帯電話の使用等(保持)に該当した場合,違反点数3点かつ反則金1万8000円(普通車)となりました(違反点数は従前の3倍になりました。)(シンク出版HPの「「ながらスマホ」の罰則等大幅に強化──12月1日施行」参照)。
イ ヤフーニュースに「2秒以上のながら運転はアウト…実は根拠が弱かった 一部の報道に誤りも」が載っています。

3 赤切符が切られた場合の手続
(1) 地域によりますものの,赤切符が切られたことについて争わない場合,三者即日処理方式(警察官から交通切符(赤切符)の交付を受けて出頭日時・場所を告知された人について,警察の取調べ,検察庁の取調べ,裁判及び罰金の納付を1日で行う処理方式)が実施されることが多いです(検察庁HPの「道路交通法違反の三者即日処理について」参照)。
(2) 車情報車大好きHP「赤キップ 罰金と大阪交通警察官室について」に,大阪簡易裁判所交通分室で罰金を支払った際の体験談が載っています。
(3) 三者即日処理方式を定めている裁判所の通達を以下のとおり掲載しています。
① 道路交通法違反事件及び自動車の保管場所の確保等に関する法律違反事件の共用書式による処理について(昭和63年4月6日付の最高裁判所事務総長通達)
② 交通切符による刑事事件の処理について(昭和63年4月6日付の最高裁判所刑事局長依命通達)

4 交通違反の対策等
(1) 交通違反の対策については,横浜の行政書士 みどり法務事務所HP「取り締まりポイントに学ぶ安全運転の研究」が参考になります。
(2) 廃車買取おもいでガレージHP「警察官と揉めない!あいまいな一時停止違反で点数と罰金を献上しないために」が載っています。
(3) 高山法律事務所HPに「交通行政処分」が載っています。

第2 反則金制度

1 仮納付
(1) 反則金が発生する反則行為の場合,交通反則通告制度が適用される結果(道路交通法125条1項及び別表第二),交通反則告知書(青切符)と一緒に交付される仮納付書に基づき,交付日から8日以内に反則金を仮納付(道路交通法129条)すれば,それで手続は終了します(道路交通法128条2項及び130条本文参照)。
(2) 反則金を仮納付した場合,出頭指定日に交通反則通告センターに出頭する必要はありません(警視庁HPの「交通反則告知書(青キップ)を受領された方」参照)。

2 本納付
(1) 仮納付書を交付された日から8日以内に仮納付しなかった場合,出頭指定日(道路交通法126条1項本文参照)に交通反則通告センターに出頭して警察本部長名義の交通反則通告書及び納付書を受領した上で,納付書に基づき,11日以内に反則金を納付すれば,それで手続は終了します(道路交通法128条2項及び130条本文参照)。
(2) 出頭指定日に交通反則通告センターに出頭しなかった場合,青切符の交付日から約40日後に警察本部長名義の交通反則通告書及び納付書が郵送されてくるため(道路交通法127条1項後段),納付書に基づき,反則金及び送付費用を納付すれば,それで手続は終了します(道路交通法128条2項及び130条本文参照)。
(3)ア 大阪府警察の場合,納付書記載の納付期限を経過してしまった場合であっても,警察署又は交通反則通告センターに出頭し,その日限りの納付書を交付してもらい(大阪府警察HPの「通告による反則金の納付(本納付書)に関すること」参照),その納付書に基づいて反則金等を納付すれば,それで手続は終了します(道路交通法128条2項及び130条本文参照)。
イ 納付期限の経過期間によっては,交通違反が刑事事件に移行している場合がありますところ,この場合,反則金を納付することはできません。

3 交通反則通告制度が適用されない場合
(1) 
反則行為をした結果として交通事故が発生した場合,交通反則通告制度が適用されません(道路交通法125条2項3号)。
   そのため,例えば,①暗夜無灯火で進行し,これが原因で人身事故を起こした場合,又は②一時停止を無視し、これが原因で人身事故を起こした場合,過失運転致傷罪(自動車運転死傷行為処罰法5条)として,100万円以下の罰金等の刑事罰を受けることがあります(ただし,示談できた場合は通常,起訴されませんから,罰金刑にもなりません。)。
(2) 「反則行為をし、よって交通事故を起こした者」の範ちゅうには,反則行為により交通事故を起こした結果,他に損傷を与えぬ,いわゆる自損(負傷)のみの場合を含むものと解されています(執務資料 道路交通法解説17訂版1316頁)。
(3)ア 反則行為よりも悪質な非反則行為の場合,交通反則通告制度が適用されないのであって,赤切符が交付され,罰金等の前科が付くこととなります。
イ 交通事故が発生したものの,不起訴処分となった場合,反則金も罰金も支払う必要はないです。

4 交通反則通告制度の沿革
  平成元年版犯罪白書の「第3章 犯罪者の処遇」の「第1節 検察及び裁判」には以下の記載があります。
(エ) 交通事件簡易処理の制度
 いわゆる交通事件が増大し,通常の裁判手続では処理が遅延する上,同事件はその内容が単純で違反の態様も定型化していることから,特別の手続で処理する方法が考案された。昭和29年2月に東京において,警察,検察庁,裁判所の三者が即日のうちにそれぞれ送致,起訴,裁判の手続を行う,いわゆる在庁略式手続が採用され,その後全国でも同様の手続が行われるようになった。29年5月には交通事件即決裁判手続法が公布(同年11月1日施行)され,簡易裁判所は,交通に関する刑事事件について被告人に異議がない場合には,公判前の即決裁判で,5万円以下(47年6月公布の罰金等臨時措置法の一部改正により,同年7月1日から20万円以下)の罰金又は科料を科することができることとなった。また,38年1月から事件記録を簡易書式にするいわゆる交通切符制度が採用(41年から全国で実施)され,また,42年8月公布の道路交通法の改正(43年7月1日施行)で交通反則通告制度が採用された。この通告制度は,自動車等の運転者が,危険性の低い一定の違反行為(反則行為)をしたとき,運転免許を有しない者など一定の者を除いて,反則金等の告知等を受け,その反則金を納付すれば公訴提起されないという制度である。当初は少年が除外されていたが,45年5月公布の同法の改正(同年8月20日施行)で,少年にもこの制度が適用されることとなった。その後61年5月公布の同法の改正(62年4月1日施行)で,交通反則通告制度の適用範囲が拡大された。

5 その他
(1) 免許証不携帯については反則行為として3000円の反則金が発生するものの,違反点数は付きませんから,白切符を切られることもありません(車査定マニアHP「免許証不携帯の罰金・違反点数と紛失中に運転した場合の取り扱い」参照)。
(2) JAF HPの「交通反則通告制度(青キップ)は、どういう制度なの?」が参考になります。

第3 意見の聴取,及び停止等の処分の軽減基準

1 意見の聴取
(1)ア 都道府県公安委員会が免許を取り消したり,
90日以上の期間免許の効力を停止したりする場合,公開による意見の聴取を行う必要があります(道路交通法104条1項)。
イ 30日又は60日の免許停止処分の場合,意見の聴取がないため,呼出に応じて出頭した時点で免許停止処分を伝えられます(高山法律事務所HPの「聴取に向けて準備する」参照)。
(2)ア   意見の聴取を行う場合における処分をしようとする理由並びに意見の聴取の期日及び場所の通知は,文書によって行われます(道路交通法施行令39条1項)。
    そして,意見の聴取に際しては,当該処分に係る者又はその代理人は,当該事案について意見を述べ,かつ,有利な証拠を提出することができます(道路交通法104条2項)。
イ 一発試験ロードマップHP「意見の聴取の具体的な内容と流れ」が載っています。
ウ 入門交通行政処分への対処法111頁には,「現行の方式では意見聴取当日にドライバー本人に与えられる時間はせいぜいで5分程度である。意見を裏付ける資料の提出ができると言われても、その日に結論を出すのではどれだけの意味があるかということになる」と書いてあります。
(3) 大阪府警察の以下の資料を掲載しています。
① 運転免許の行政処分事務取扱規程(昭和44年9月26日大阪府公安委員会規程第3号)
② 運転免許の行政処分事務処理要綱の制定について(昭和44年9月26日付の大阪府警察本部の例規)
③ 道路交通法の規定に基づく意見の聴取及び弁明の機会の付与に関する事務処理要領の制定について(平成6年9月30日付の大阪府警察本部の例規)

2 停止等の処分の軽減基準
  運転免許の効力の停止等の処分量定の特例及び軽減の基準について(平成21年4月30日付の警察庁交通局運転免許課長の文書)によれば,以下のいずれかの事情がある場合,30日間,免許停止期間を短くしてもらえることがあります。
① 交通事故の被害の程度又は不注意の程度のいずれか一方が軽微であり,かつ,その他にも危険性がより低いと評価すべき事情がある場合
② 違反行為等の動機が,災害,急患往診,傷病人搬送その他やむを得ない事情によるものであり,かつ,危険性がより低いと認める場合
③ 違反行為等が他からの強制によるものであるなどやむを得ない事情によるものであり,危険性がより低いと認める場合
④,被害者の年齢、健康状態等に特別な事情があるとき等同一原因の他の事故に比べて被害結果を重大ならしめる他の事由が介在した場合であって,その他にも危険性がより低いと評価すべき事情がある場合
⑤ 被害者が被処分者の家族又は親族であって,その他にも危険性がより低いと評価すべき事情がある場合
⑥ 前各号に掲げる場合のほか,危険性がより低いと評価すべき特段の事情があり、明らかに改善の可能性が期待できる場合

3 その他
(1) 停止等の処分の軽減基準に該当する事情がある場合,上申書等の書面によりその旨を主張した方がいいです(交通事故・違反の法務相談室HP「処分の軽減のための上申書・嘆願書・反省文」参照)。
(2) 高山法律事務所HPの「聴取に向けて準備する」に,「いうべき意見の柱は」が載っています。

意見の聴取通知書
意見の聴取期日・場所変更申出書
意見の聴取調書

第4 免許停止処分の猶予(30日又は60日の免許停止の場合)

1(1) 運転免許の効力の停止等の処分量定の特例及び軽減の基準について(平成21年4月30日付の警察庁交通局運転免許課長の文書)によれば,停止等の処分の軽減事由に該当する事情があり,かつ,処分を猶予することがその者の運転者としての危険性の改善に効果があると認められる場合,30日間の免許停止処分を猶予してもらえることがあります。
(2) 停止等の処分の軽減事由に該当する事情が2つ以上ある場合,60日間の免許停止処分を猶予してもらえることがあります。

2 停止処分の猶予は,交通違反を認めていることが前提の取扱いと思います。

3 30日又は60日の免許停止の場合,意見の聴取期日がありませんから,停止等の処分の軽減基準に該当する事情がある場合,運転免許課に対し,資料を付けて,事情を説明する手紙を自分で送る必要があります。

4 免許停止30日又は60日の事案において処分の猶予を得られた場合,1年間,無違反で過ごすことができれば,違反点数が消えます(交通事故・違反の法務相談室HP「処分の猶予(免許停止30日・60日)」参照)。 

第5 交通違反の点数に対する不服申立方法(審査請求及び行政訴訟)

1 免許停止等の処分があった場合
(1) 違反点数が付いた結果,免許停止処分又は免許取消処分となった場合,都道府県公安委員会に対する審査請求及び地方裁判所に対する取消訴訟によって争うことができます。
(2) 三つ子のパパはアルハイ乗りブログ「運転免許停止処分出頭通知書 」に,同通知書(名義人は岡山県警察本部長)が載っています。
(3) 都道府県公安委員会に対する審査請求は,免許停止等の処分があったことを知った日から3ヶ月以内にする必要があります(行政不服審査法18条)。

(4) 行政不服審査事務取扱規程(平成28年3月29日大阪府公安委員会規程第5号)を掲載しています。
(5) 免許停止等について
は,
「交通違反及び行政処分」を参照して下さい。

2 免許停止等の処分がなかった場合
(1)   違反点数が付いたものの,免許停止等の処分にまでは至らなかった場合,違反点数が付いたこと自体を争うことはできません。
   しかし,違反点数が付いた場合,運転免許証の有効期間の更新に際して一般運転者に当たるとされますから,優良運転者である旨を記載した運転免許証の交付を求めて,都道府県公安委員会に対する審査請求及び地方裁判所に対する取消訴訟によって争うことができます(運転免許証の更新処分の取消しを求める訴えの利益があることにつき最高裁平成21年2月27日判決)。
(2) 神戸地裁平成31年3月27日判決(兵庫県公安委員会を処分行政庁とする,交通違反取消し請求事件)の事案では,通行禁止違反があったことを理由に,運転者の区分を一般運転者とする免許証の更新処分を受けた後に,兵庫県公安委員会に対し,優良運転者の記載のある免許証の交付を求め,当該更新処分について審査請求をした上で,兵庫県公安委員会から審査請求を棄却する旨の裁決を受けた後に,訴訟代理人弁護士を付けずに取消訴訟を提起しています。

3 免許証の色の種類
 免許証の色は,初心者ドライバーがグリーン,一般ドライバー(一般運転者)がブルー,優良ドライバー(優良運転者)がゴールドで区別されていますところ,優良運転者の場合,以下のメリットがあります(モビーHP「3色の免許証「グリーン・ブルー・ゴールド」それぞれの違いを解説」参照)。
① 自動車の任意保険料の割引
② 居住地以外での免許更新(経由更新)
③ SDカードの所持

4 速度違反の場合,オービスで記録された日時場所と,スマホの位置情報アプリ等に基づいて推測されるところの平均速度が大きく異なる場合,審査請求で争う余地が出てくるかも知れません。

第6 任意に違反点数を抹消してもらえる場合

1(1) 今井亮一の交通違反バカー代HP「愛と感動の抹消上申」には,「点数の抹消は、じつはできるし、実際している。手続き的には、取り締まりを行った署や隊から運転免許の担当部署(警視庁では運転免許本部長)宛てに「抹消上申」を行う形になっている。」と書いてあります。
   そのため,ドラレコ又はGoProで違反行為の不存在を客観的に主張できる場合,審査請求又は行政訴訟によるまでもなく,違反点数を取り消してもらえるかもしれません。
(2) 「ドライブレコーダー,運行記録計及び道路運送車両の保安基準」も参照してください。

2(1) 入門 交通行政処分への対処法73頁及び74頁には以下の記載があります。
   筆者(山中注:高山俊吉弁護士のこと。)は、個人タクシーの資格を取ろうとした法人タクシーの運転手から相談を受け、点数登録の抹消に苦労した経験がある。弁護士の名前を出すことが杓子定規な対応の原因になる場合もあり、工夫が必要である。一旦登録したら何があっても抹消しないというものでもない。警察官も人間である以上誤認をすることも誤記をすることもある。訂正という方法があることは公安委員会も否定しない。弁護士としてすべての準備を行い、本人の名前で要望をさせたのであった。
   そもそも、「不利益は処分のとき。すべては処分時に議論しよう」と言うのなら、処分の際には過去の違反の1つひとつについて厳密な事実確認をすべきである。過去のケースは点数をみるだけで個々の事案の実情は評価の対象にしないというのは、どう考えてもおかしい。個々のケースを問題にすると検討は処分の時だと逃げられ、処分の段階になったら過去のケースは問題にしないと言われたのでは、それはないだろうと言いたくなる。
(2) ちなみに,個人タクシー許可を受けるためには,法令遵守状況として例えば,以下の条件を満たす必要があります(全国個人タクシー協会HPの「個人タクシーの経営者になるには」参照)から,2点の交通違反があった場合,さらに3年間,個人タクシー許可を受けられないこととなります。
   申請日以前3年間及び申請日以降に、道路交通法違反による処分(同法の規定による反則金の納付を命ぜられた場合又は反則点を課せられた場合を含む。)を受けていないこと。ただし、申請日の1年前以前において、反則点1点を付された場合(併せて同法の規定による反則金の納付を命ぜられた場合を含む。)又は反則金の納付のみを命ぜられた場合のいずれか1回に限っては、処分を受けていないものとみなす。

3 運転免許の行政処分事務処理要綱の制定について(昭和44年9月26日付の大阪府警察本部の例規)第2の「8 交通反則切符適用事案に関する処分結果等の通報」(リンク先のPDF5頁)には以下の記載があります。
 交通反則通告センター所長は、次の要領により交通反則切符適用事案に係る処理結果等を運転免許課長に通報するものとする。
(1) 交通反則切符適用事案を審査した結果、違反不成立又は違反事実の是正等を必要とすることが判明したときは、その旨を是正通報書(別記様式第3号)により、告知の日から起算して20日以内に通報する。
(2) 交通反則切符適用事案を審査した結果、処理が遅延するときは、その理由を遅延通報書(別記様式第3号の2)により、告知の日から起算して20日以内に通報する。
(3) 前記(2)により通報したものについて処理が終わったときは、その旨を是正通報書により、直ちに通報する。
(4) 人違い事案等のため、違反登録の変更を必要とすることが判明したときは、その理由を手続変更通報書(別記様式第3号の3)により、直ちに通報する。

第7 交通違反の取締件数及び違反点数

1 平成29年の交通違反の件数
(1) 内閣府HPに載ってある平成30年交通安全白書によれば,平成29年の交通違反取締件数のうち,件数が多いもの及び違反点数は以下のとおりです(高速道路分を含みます。)。

① 最高速度違反:147万8281件(違反点数は1点,2点,3点,6点又は12点)
② 一時停止違反:132万7461件(違反点数は2点)
③ 携帯電話使用等違反:91万5797円(違反点数は1点又は2点)
→ 令和元年12月1日以降の違反点数は3点又は6点です。
④ 通行禁止違反:73万572件(違反点数は2点)
⑤ 信号無視:72万5030件(違反点数は2点)
(2) 内閣府HPに載ってある平成30年交通安全白書によれば,高速道路における平成29年の交通違反取締件数のうち,件数が多いもの及び違反点数は以下のとおりです。
① 最高速度違反:37万4085件(違反点数は1点,2点,3点,6点又は12点)
② 車両通行帯違反:6万1362件(違反点数は1点)
③ 車間距離不保持(通称は「あおり運転」です。):6139件(違反点数は2点)

2 横断歩行者等妨害等
 警察庁HPの「横断歩道は歩行者優先です」によれば,横断歩行者等妨害等(違反点数は2点)の件数は,平成27年は9万9763件であり,平成29年は14万5292件であり,令和元年は22万9395件でした。

第8 速度違反の取締り,オービス及びレーダー探知機

1 法定速度
(1) 一般道路の法定速度は時速60キロであり(道路交通法22条・道路交通法施行令11条),高速道路の法定速度は時速100キロです(道路交通法22条・道路交通法施行令27条1号)。
(2) 道路標識で最高速度が指定されている場合,その速度が最高速度となり(「指定最高速度」ともいいます。),指定されていない場合,法定速度が最高速度となります(「法定最高速度」ともいいます。)。
(3) 最高速度を勘違いして罰金の略式命令が出た場合,検事総長の非常上告(刑事訴訟法454条)に基づき略式命令を破棄してもらえます(刑事訴訟法458条1号)ところ,実例として,最高裁平成26年4月15日判決があります。

2 速度違反,違反点数及び免許停止日数の対応関係
(1) 法定速度が適用されるケースでは,一般道路の場合,時速90キロ以上で赤切符となり,高速道路の場合,時速140キロ以上で赤切符となります。
(2) 一般道路では,30キロから50キロオーバーの場合,違反点数が6点となり,免許停止30日以上となります。
 50キロオーバーの場合,違反点数が12点となり,免許停止90日以上となります。
(3) 高速道路では,40キロから50キロオーバーの場合,違反点数が6点となり,免許停止30日以上となります。
 50キロオーバーの場合,違反点数が12点となり,免許停止90日以上となります。

3 速度違反に対する罰金額の目安
(1) 一般道路における速度違反に対する罰金額の目安は,30キロから34キロオーバーで6万円から7万円,35キロから39キロオーバーで7万円から8万円,40キロから49キロオーバーで8万円から9万円みたいです(交通事故弁護士ナビ「スピード違反の罰金/反則金はいくら?30キロオーバーでも免停なの?」参照)。 
(2) クルママガジン イキクル「スピード違反の点数と反則金は高速道路と一般道でどう違う?一発免停(赤切符)となる超過速度と罰金はいくら?」(2019年5月27日付)が参考になります。

4 速度違反と公判請求
(1) 速度違反の法定刑は6月以下の懲役又は10万円以下の罰金です(道路交通法118条1項1号)。
(2) 80キロ以上の速度違反をした場合(一般道路において時速140キロ以上で走行し,又は高速道路において時速180キロ以上で走行した場合),初犯であっても公判請求(公開の法廷における正式裁判の請求)をされる可能性が高いです。

5 オービス
(1) 「オービスガイド・全国オービス情報サイト」を見れば,固定式オービスの設置場所が分かります。
(2) 固定式オービスの種類としては以下のものがあります。
① レーダー式
・ Xバンドを照射して速度を計測するものです。
② ループコイル式
・ 道路に埋め込んだループコイルで速度を計測するものです。
③ Hシステム
・ レーダーの跳ね返りで速度を計測するものです。
④ LHシステム
・ ループコイル式とHシステムを組み合わせたものです。

6 レーダー探知機
(1) オービスを発見するためのレーダー探知機のメーカーとしては,ユピテルセルスター及びコムテックがあります(ビックカメラHPの「レーダー探知機のおすすめ11選【2020】レーザーやGPS搭載モデルを紹介」参照)。
(2) 移動式オービスによる取締りに対応するためには,レーダー&レーザー探知機をクルマに備え付けておいた方がいいです(くるまのニュースHPの「神出鬼没の移動オービスにも対応できる!? レーダー探知機はどう進化?」(2020年7月14日付)参照)。

第9 青切符及び赤切符に対する不服申立方法(刑事手続)

1 青切符を切られてから正式裁判までの流れ
(1)ア 青切符にサインをしたものの,青切符における反則行為の存在を争いたい場合,現場の警察官から交付された反則金仮納付書(道路交通法129条1項)を無視し,警察本部長名義の反則金納付書(道路交通法128条1項)を無視し,警察からの説得の電話を拒絶した後,検察庁での取調べにおいて否認し(検察庁には絶対に出頭する必要があるのであって,理由なく不出頭を続けた場合,逮捕される可能性があります。),略式命令による罰金を断ればいいです。

   検察庁において嫌疑不十分で不起訴となったり,起訴猶予処分となったりした場合,その時点で正式に終わるものの,起訴された場合,正式裁判を受けることとなります。
イ 平成28年の場合,道路交通法等違反被疑事件のうち,公判請求されたのは70件だけです(モーターファンHP「青切符にサインしなければ、反則金を払わなくて済む、ってほんと?【交通取締情報】送検された反則行為(青切符)関連の不起訴率は、なんと99.93%!」参照)。
(2)   これらの一連の流れは,いろはに情報館HP「青切符違反の無実を裁判で争うための正しい知識」が非常に参考になります。 
(3) 信号無視をしたということで警察官に呼び止められた際,降車を拒否し,運転免許証も提示しなかったような場合,道路交通法違反(信号無視)の現行犯人として逮捕されたり,罰金9000円の有罪判決を受けたりすることがあります(最高裁令和元年6月3日判決参照)。

2 赤切符を切られてから正式裁判までの流れ
(1) 赤切符における非反則行為を争いたい場合,検察庁での取調べにおいて否認し(検察庁には絶対に出頭する必要があるのであって,理由なく不出頭を続けた場合,逮捕される可能性があります。),略式命令における罰金を断ればいいです。

(2)   検察庁において嫌疑不十分で不起訴となったり,起訴猶予処分となったりした場合,その時点で正式に終わるものの,起訴された場合,正式裁判を受けることとなります。

3 略式命令による罰金が出た後の流れ
(1) 略式命令による罰金が出た後であっても,略式命令を受け取ってから14日以内に正式裁判の請求(刑事訴訟法465条1項)をすれば,正式裁判で自分の言い分を主張できることとなります。
    実際,赤切符の裏側には,正式裁判の請求ができる旨の「略式手続説明書」及び「申述書」が記載されていますし,「上記略式命令に対しては,告知を受けた日から14日以内に当裁判所に対して正式裁判の請求をすることができます。」という記載もあります。
(2) 正式裁判を受ける際に私選弁護人を選任していない場合,事件が係属している簡易裁判所に請求すれば,国選弁護人を選任してもらえます(刑事訴訟法36条)。 

4 速度違反に関する裁判例
(1) 無罪判決の事例
ア 「ねずみ捕り」式スピード違反の取締りに対する無罪判決の事例として以下のものがあります(判例秘書で確認できたものに限ります。)。
・ さいたま地裁平成28年11月16日判決(判例秘書に掲載)(担当裁判官は58期の加藤雅寛裁判官)
・ 福岡高裁平成30年3月28日判決(裁判長は34期の岡田信裁判官)
イ レーダースピードメーター機(オービスの一種です。)の誤作動に基づく無罪判決の事例として以下のものがあります。
・ 大阪高裁平成4年9月9日判決(裁判長は5期の村上保之助裁判官)
→ タコグラフの速度記録がある事案でした。
・ 神戸地裁平成14年8月26日判決(判例秘書に掲載)(担当裁判官は26期の杉森研二裁判官)
・ 福井簡裁平成15年7月16日判決(判例秘書に掲載)
(2) 有罪判決の事例 
 速度測定装置の誤作動に関する弁護人の主張を排斥した事例として以下のものがあります(有罪判決自体は無数にあります。)。
・ 神戸地裁平成15年10月22日判決(判例秘書に掲載。37キロの速度違反で罰金7万円)(担当裁判官は26期の杉森研二裁判官)

5 被疑者ノート
 身柄拘束されている被疑者を対象としたものですが,日弁連HPに被疑者ノートが掲載されています。
 被疑者ノートには,警察官又は検察官の取調べを受ける際の心構え(リンク先のPDF7頁ないし11頁)が色々と書いてありますから,非常に参考になります。

6 不起訴処分となった場合,検察庁からの連絡はないこと
(1) 青切符又は赤切符が切られた人が検察官の取調べを受けた後に不起訴処分になったとしても,検察庁からその旨の連絡はありません。
(2) 被疑者又はその弁護人が検察庁に問い合わせをした際,既に不起訴処分になっていた場合,その旨を告知してくれますし(刑事訴訟法259条),請求すれば,不起訴処分告知書事件事務規程76条)を発行してくれます。

7 青切符に基づく反則金の支払を争った場合にありうる,事実上の不利益
   弁護士法人伏見総合法律事務所の交通事故の知恵袋HP「反則行為を犯した際の対応」には,青切符に基づく反則金の支払を争った場合にありうる,事実上の不利益として以下の記載があります。
(なお、軽微な道路交通法違反事件については、検察官が必ずしも正式裁判を提起するとは限らないという実情はあるため、反則行為の存在は争わないものの、徹底的に支払わないという対応を取られるケースもあるようです。しかし、刑事手続の対応の負担や仮に微罪処分として起訴猶予となったとしても、交通事故はちょっとした不注意でも不可避的に発生することは十分あることを思うと、1回限り、反則金の支払いを免れることに、あまり大きな意味を持たせることは、却って将来に向けて大きなリスクを抱えることになることは十分に理解をする必要があると個人的には考えます。

第10 取調べのための呼び出しに応じないことと,逮捕の必要性に関する最高裁刑事局作成の資料の記載

○最高裁判所刑事局が平成7年3月に作成した,逮捕・勾留に関する解釈と運用4頁及び5頁には以下の記載があります。

 まず,一般論として,次のとおり意見が一致した。
 刑訴法199条1項ただし書の罪についてはもちろん,その他の罪についても,明らかに逃亡,罪証隠滅のおそれがなく,単に出頭要求に応じないという理由だけでは逮捕状を発付することはできない。しかし,任意出頭の要求に数回にわたって応じないということは,逃亡又は罪証隠滅のおそれを推認させる有力な事情とはなりうるであろう。呼出しの回数が重なるに連れ,呼出しを無視する被疑者の緊張感が高まり,例えば,もしかすると裁判で実刑になるのではないかとの不安を覚え,逆に逃走や罪証隠滅を図るといった心理過程を推認できることもあるからである。もちろん具体的な諸事情を総合判断しなければならないが,そのような推認ができる場合には,数回の不出頭の事実を逮捕の必要性の一つの判断資料として,逮捕状を発付するということも十分考えられる。なお,このような推認が働くのは,あくまで有効な呼出しを現に受けており,かつ正当な理由もないのに,出頭しない場合に限られることはいうまでもない。
 この点について,何回以上不出頭であれば逮捕状を発付するという一応の基準的なものを設け,これに基づいて運用するというやり方についても議論が及んだ。しかし,これに対しては,単に機械的に回数のみを基準にして逮捕の必要性の有無を決するのは妥当でなく,あくまでも具体的事情を総合判断して,必要性の有無を判断すべきである,との結論となった。
1(1) 債務整理(簡易な相談に限る。)及び被害者側の交通事故(検察審査会を含む。)の初回の面談相談は無料であり,相続,情報公開請求その他の面談相談は30分3000円(税込み)です。
   交通事故については,無料の電話相談もやっています。
(2) 相談予約の電話番号は「お問い合わせ」に載せています。
  
2 執務時間は原則として平日の午前10時30分から午後7時30分までですが,事前のご予約があれば,午後8時30分まで夜間相談可能です。
 
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)については,略歴及び取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図を参照してください。