交通事故の損害賠償金等と税金

第0 目次

第1 交通事故の損害賠償金と所得税
第2 高度障害保険金等は非課税所得となること
第3 交通事故の損害賠償金等と相続税

第1 交通事故の損害賠償金と所得税

1(1) 所得税法9条1項16号は,「損害保険契約に基づき支払を受ける保険金及び損害賠償金(これらに類するものを含む。)で,心身に加えられた損害又は突発的な事故により資産に加えられた損害に基因して取得するものその他の政令で定めるもの」を非課税所得としており,詳細については,所得税法施行令30条で定められています。

2(1) 所得税法9条1項16号の趣旨は,損害賠償が他人の被った損害を補てんし,損害がないのと同じ状態にすることを目的とするものであって,その間に所得の観念を入れることが酷であるから,これを非課税所得とし,他方,損害賠償金の名目で支払われたとしても,そのすべてが非課税所得になるわけではなく,本来所得となるべきもの又は得べかりし利益を喪失した場合にこれが賠償されるときは,喪失した所得(利益)が補てんされるという意味においてその実質は所得(利益)を得たのと同一の結果に帰着すると考えられるから,それを非課税所得としないとするものです(平成17年9月12日付の国税不服審判所の裁決平成22年4月22日付の国税不服審判所の裁決参照)。
(2) 交通事故に基づく損害賠償金の場合,非課税所得であることに争いが生じることはまずありません。

3 交通事故等の加害者から被害者の死亡に対する損害賠償金を遺族が受け取った場合,所得税はかかりません(国税庁HPのタックスアンサー「No.1705 遺族の方が損害賠償金を受け取ったとき」参照)。 

第2 高度障害保険金等は非課税所得となること

1 疾病により重度障害の状態になったことなどにより,生命保険契約又は損害保険契約に基づき支払を受けるいわゆる高度障害保険金,高度障害給付金,入院費給付金等(一時金として受け取るもののほか、年金として受け取るものを含む。)は,所得税法施行令30条1号の「身体の傷害に起因して支払を受けるもの」に該当しますから,非課税所得となります(所得税基本通達9-21)。

2  被保険者の傷害又は疾病により当該被保険者が勤務又は業務に従事することができなかったことによるその期間の給与又は収益の補てんとして損害保険契約に基づき当該被保険者が支払を受ける所得補償保険金は,所得税法施行令30条1号の「身体の傷害に起因して支払を受けるもの」に該当しますから,非課税所得となります(所得税基本通達9-22)。
    ただし,業務を営む者が自己を被保険者として支払う所得補償保険金に係る保険料は,当該業務に係る所得の金額の計算上必要経費に算入することはできません。

3 葬祭料,香典又は災害等の見舞金で,その金額がその受贈者の社会的地位,贈与者との関係等に照らし社会通念上相当と認められるものについては,所得税法施行令30条に基づき非課税所得となります(所得税基本通達9-23)。

第3 交通事故の損害賠償金等と相続税

1 国税庁HPのタックスアンサー「No.4111 交通事故の損害賠償金」には,以下の記載があります。
   交通事故の加害者から遺族が損害賠償金を受けたときの相続税の取扱いは次のとおりです。
被害者が死亡したことに対して支払われる損害賠償金は相続税の対象とはなりません。
 この損害賠償金は遺族の所得になりますが、所得税法上非課税規定がありますので、原則として税金はかかりません(遺族の方の所得税の課税関係は、関連コード1700又は1705を参考にしてください)。
 なお、被相続人が損害賠償金を受け取ることに生存中決まっていたが、受け取らないうちに死亡してしまった場合には、その損害賠償金を受け取る権利すなわち債権が相続財産となり、相続税の対象となります。

2 業務災害によって死亡した場合,会社によっては,慶弔見舞金規程に基づき,労災保険とは別に,弔慰金,花輪代,葬祭料等(=弔慰金等)を支給してくれることがあります。
   そして,弔慰金等のうち,ボーナスを除く給料の3年分以下の部分は,税務上も弔慰金等としての取扱いを受ける結果,相続税の対象とはなりません(相続税基本通達3-20)。

1(1) 交通事故(検察審査会を含む。)及び債務整理の初回の面談相談は無料であり,相続情報公開請求等の面談相談は30分3000円(税込み)です。
   交通事故及び債務整理については,無料の電話相談もやっています。
(2) 相談予約の電話番号は「お問い合わせ」に載せています。
  
2 執務時間は原則として平日の午前10時から午後7時30分までですが,事前のご予約があれば,午後8時30分まで夜間相談可能です。
 
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)については,略歴及び取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図を参照してください。