交通事故の起訴率等

第0 目次

第1 危険運転致死傷罪の起訴率等
第2 業務上過失致死傷罪の起訴率等
第3 重過失致死傷罪の起訴率等
第4 自動車運転過失致死傷罪の起訴率等
第5 過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪の起訴率等
第6 過失運転致死傷罪の起訴率等
第7 無免許過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪の起訴率等
第8 無免許過失運転致死傷の起訴率等
第9 裁判員裁判

*1 データの出典は,法務省HPの「検察統計統計表」に掲載されている,毎年8月公表の検察統計年報「5 被疑事件の罪名別起訴人員,不起訴人員及び起訴率」です。
*2 「交通事故の量刑分布」も参照してください。

第1 危険運転致死傷罪の起訴率等

平成14年:起訴は311件,不起訴は7件,起訴率は97.8%
平成15年:起訴は332件,不起訴は6件,起訴率は98.2%
平成16年:起訴は316件,不起訴は9件,起訴率は97.2%
平成17年:起訴は302件,不起訴は11件,起訴率は96.5%
平成18年:起訴は378件,不起訴は10件,起訴率は97.4%
平成19年:起訴は364件,不起訴は16件,起訴率は95.8%
平成20年:起訴は233件,不起訴は27件,起訴率は89.6%
平成21年:起訴は256件,不起訴は11件,起訴率は95.9%
平成22年:起訴は230件,不起訴は28件,起訴率は89%
平成23年:起訴は212件,不起訴は28件,起訴率は88.3%
平成24年:起訴は213件,不起訴は33件,起訴率は86.6%
平成25年:起訴は204件,不起訴は20件,起訴率は91.1%
平成26年:起訴は360件,不起訴は28件,起訴率は92.8%
平成27年:起訴は433件,不起訴は66件,起訴率は86.8%
平成28年:起訴は416件,不起訴は82件,起訴率は83.5%
平成29年:起訴は408件,不起訴は86件,起訴率は82.6%
平成30年:起訴は342件,不起訴は93件,起訴率は78.6%

* 平成26年5月20日,自動車運転死傷行為処罰法の制定により,危険運転致死傷罪の成立範囲が広がりました。

第2 業務上過失致死傷罪の起訴率等

平成14年:起訴は10万1891件,不起訴は73万5785件,起訴率は12.2%
平成15年:起訴は9万9854件,不起訴は75万7369件,起訴率は11.6%
平成16年:起訴は9万7166件,不起訴は77万506件,起訴率は11.2%
平成17年:起訴は9万1980件,不起訴は76万6694件,起訴率は10.7%
平成18年:起訴は8万5801件,不起訴は74万2966件,起訴率は10.4%
平成19年:起訴は5万3550件,不起訴は39万853件,起訴率は12.0%
平成20年:起訴は1665件,不起訴は5980件,起訴率は21.8%
平成21年:起訴は372件,不起訴は1万2137件,起訴率は3.0%
平成22年:起訴は126件,不起訴は1119件,起訴率は10.1%
平成23年:起訴は77件,不起訴は1176件,起訴率は6.1%
平成24年:起訴は68件,不起訴は751件,起訴率は8.3%
平成25年:起訴は56件,不起訴は345件,起訴率は14.0%
平成26年:起訴は39件,不起訴は290件,起訴率は11.9%
平成27年:起訴は29件,不起訴は276件,起訴率は9.5%
平成28年:起訴は34件,不起訴は216件,起訴率は13.6%
平成29年:起訴は40件,不起訴は213件,起訴率は15.8%
平成30年:起訴は36件,不起訴は210件,起訴率は14.6%

* 自動車の運転による過失致死傷等の数字を記載しています。

第3 重過失致死傷罪の起訴率等

平成14年:起訴は49件,不起訴は1006件,起訴率は4.6%
平成15年:起訴は52件,不起訴は1275件,起訴率は3.9%
平成16年:起訴は54件,不起訴は1003件,起訴率は5.1%
平成17年:起訴は51件,不起訴は 758件,起訴率は6.3%
平成18年:起訴は29件,不起訴は 671件,起訴率は4.1%
平成19年:起訴は24件,不起訴は 666件,起訴率は3.5%
平成20年:起訴は26件,不起訴は 535件,起訴率は4.6%
平成21年:起訴は10件,不起訴は 497件,起訴率は2.0%
平成22年:起訴は 7件,不起訴は 454件,起訴率は1.5%
平成23年:起訴は 7件,不起訴は 453件,起訴率は1.5%
平成24年:起訴は 9件,不起訴は 451件,起訴率は2.0%
平成25年:起訴は 3件,不起訴は 357件,起訴率は0.8%
平成26年:起訴は 5件,不起訴は 207件,起訴率は2.4%
平成27年:起訴は 5件,不起訴は 111件,起訴率は4.3%
平成28年:起訴は 4件,不起訴は 144件,起訴率は2.7%
平成29年:起訴は 4件,不起訴は  86件,起訴率は4.4%
平成30年:起訴は 5件,不起訴は 115件,起訴率は4.2%
* 条解刑法(第3版)621頁及び622頁には以下の記載があります(本罪とあるのは,重過失致死傷罪のことです。)。
4) 重大な過失(重過失) 一般的には,注意義務違反の程度が著しいことをいう。より具体的には.新旧過失論における立場の相違を反映して,①わずかな注意を払えば,危険を察知することができ,結果発生を回避できたであろうと認められる場合をいい,注意義務違反に対する非難可能性の程度を基準とする説,②客観的にみて,結果発生の危険の大きい場合をいい,違法性の程度を基準とする説などの見解がある。
   自転車の運転については.業務性が否定されるので,本罪の成立が問題とされ得る。肯定事例として,赤信号を見落として自転車を「けんけん乗り」で走行し,青信号に従って横断を開始した横断歩行者の集団に突っ込んで横断歩行者に傷害を負わせた事例(東京高判昭57・8・10判時1073-153),交通量の多い幹線道路を.信号がなく停止車両の存在により見通しが困難な場所で,交通状況を確認することなく横断したため,衝突を避けようとした自動車が歩道に乗り上げ,2名を死亡させた事例(大阪地判平23・ll・28判タ1373-250)などがある。

第4 自動車運転過失致死傷罪の起訴率等

平成19年:起訴は2万3546件,不起訴は30万9472件,起訴率は 7.1%
平成20年:起訴は6万8320件,不起訴は63万5019件,起訴率は 9.7%
平成21年:起訴は6万7249件,不起訴は61万3989件,起訴率は 9.9%
平成22年:起訴は6万4254件,不起訴は61万3936件,起訴率は 9.5%
平成23年:起訴は6万366件,不起訴は59万  979件,起訴率は 9.3%
平成24年:起訴は5万8694件,不起訴は56万5605件,起訴率は 9.4%
平成25年:起訴は5万6588件,不起訴は54万 308件,起訴率は 9.5%
平成26年:起訴は3万7721件,不起訴は24万5636件,起訴率は13.3%
平成27年:起訴は  1606件,不起訴は   2599件,起訴率は38.2%
平成28年:起訴は   135件,不起訴は    566件,起訴率は19.3%
平成29年:起訴は    26件,不起訴は    399件,起訴率は 6.1%
平成30年:起訴は     7件,不起訴は    297件,起訴率は 2.3%

第5 過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱の起訴率等

平成26年:起訴は45件,不起訴は 4件,起訴率は91.8%
平成27年:起訴は96件,不起訴は12件,起訴率は88.9%
平成28年:起訴は82件,不起訴は15件,起訴率は84.5%
平成29年:起訴は95件,不起訴は 9件,起訴率は91.3%
平成30年:起訴は83件,不起訴は13件,起訴率は86.5%

第6 過失運転致死傷罪の起訴率等

平成26年:起訴は1万7318件,不起訴は24万1982件,起訴率は 6.7%
平成27年:起訴は5万1389件,不起訴は45万3956件,起訴率は10.2%
平成28年:起訴は5万 210件,不起訴は41万9961件,起訴率は10.7%
平成29年:起訴は4万8673件,不起訴は39万6806件,起訴率は10.9%
平成30年:起訴は4万6739件,不起訴は36万 556件,起訴率は11.5%

第7 無免許過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪の起訴率等

平成26年:起訴は6件,不起訴は0件,起訴率は100%
平成27年:起訴は6件,不起訴は0件,起訴率は100%
平成28年:起訴は8件,不起訴は1件,起訴率は88.9%
平成29年:起訴は6件,不起訴は0件,起訴率は100%
平成30年:起訴は3件,不起訴は0件,起訴率は100%

第8 無免許過失運転致死傷罪の起訴率等

平成26年:起訴は295件,不起訴は 30件,起訴率は90.8%
平成27年:起訴は877件,不起訴は179件,起訴率は83.0%
平成28年:起訴は848件,不起訴は156件,起訴率は84.5%
平成29年:起訴は751件,不起訴は178件,起訴率は80.8%
平成30年:起訴は752件,不起訴は173件,起訴率は81.3%

第9 裁判員裁判

1 以下の事件は裁判員裁判の対象となります(裁判員の参加する刑事裁判に関する法律2条1項)。
① 死刑又は無期の懲役・禁錮に当たる罪に係る事件(1号)
② 法定合議事件であって,故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪にかかる事件(2号)

2 交通事故についていえば,わざと人身事故を犯した結果,人が死亡した場合,傷害致死罪又は殺人罪に該当しますし,無謀な運転をした結果,人を死亡した場合,危険運転致死罪に該当しますところ,これらの場合,裁判員裁判の対象となります。

3(1) 平成21年5月21日にスタートした裁判員裁判に関する公式の説明は,裁判員制度HPに載っています。
(2) 裁判員制度に関する非公式の説明が,裁判員制度はいらないインコのウェブ大運動HPに載っています。

4(1) 株式会社NTTデータ経営研究所は,平成29年5月22日付で,「裁判員候補者の辞退率上昇・出席率低下の原因分析業務」に関する報告書を作成しました(NTTデータHPの「「裁判員候補者の辞退率上昇・出席率低下の原因分析業務」結果の公表について」)。
(2) NTTデータの報告書は裁判員制度HPの「「裁判員候補者の辞退率上昇・出席率低下の原因分析業務」結果」に載っています。
(3) 平成28年11月1日付の契約書によれば,最高裁判所は,NTTデータ経営研究所に対し,裁判員候補者の辞退率上昇・出席率低下の原因分析業務を,1215万円で発注したみたいです。
1(1) 被害者側の交通事故(検察審査会を含む。)の初回の面談相談は無料であり,債務整理,相続,情報公開請求その他の面談相談は30分3000円(税込み)ですし,交通事故については,無料の電話相談もやっています(事件受任の可能性があるものに限ります。)
(2) 相談予約の電話番号は「お問い合わせ」に載せています。

2 予約がある場合の相談時間は平日の午後2時から午後8時までですが,事務局の残業にならないようにするために問い合わせの電話は午後7時30分までにしてほしいですし,私が自分で電話に出るのは午後6時頃までです。
 
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)については,略歴及び取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図を参照してください。