整骨院に関する法規制等

第0 目次

第1 整骨院
第2 整骨院の施術費は争われやすいこと
第3 整形外科への通院を優先すべきであること
第4 整骨院等における公的医療保険の取扱い
第5 柔道整復師の人数及び整骨院の数の推移
第6 柔道整復師が急増するようになったこと
第7 整骨院の広告は大幅に制限されていること
第8 柔道整復師が放射線を人体に照射することを業とした場合の罪責
第9 あんま,マッサージ,はり・きゅう,並びに整体院及びカイロプラクティック
第10 医業類似行為に対する取扱いについて
第11 柔道整復師の施術に係る療養費の受領委任の取扱いに関する協定書

*0 以下の記事も参照してください。
① 交通事故の診療費算定基準
② 医師に関する法規制等
*1 以下の資料を掲載しています。
① 柔道整復師の施術に係る算定基準の実施上の留意事項(平成30年5月24日付の厚生労働省保険局医療課長書簡からの抜粋)
② 柔道整復師の施術に係る療養費について(通知)(平成30年5月24日付の厚生労働省保険局医療課長書簡からの抜粋)
③ 自賠責保険施術証明書・施術費明細書(柔道整復師用)
*2 健康保険との関係については,全国健康保険協会(協会けんぽ)HPの「柔道整復師(整骨院・接骨院)のかかり方」が参考になります。
*3 はり・きゅう,あん摩・マッサージの場合,医師の同意がない限り国民健康保険を使えません(協会けんぽHPの「はり・きゅうのかかり方」及び「あん摩・マッサージのかかり方」)。
*4 NHKクローズアップ現代HP「”肩こり解消”で思わぬ被害!?~癒やしブームの陰で何が~」(平成28年2月10日付)が載っています。
*5 厚生労働省HPの「療養費について」に,柔道整復師,はり・きゅう,あん摩・マッサージの療養費に関する資料が載っています。
*6 サンペル法律事務所HP「整骨院、接骨院の個別指導と監査」が載っています。
*7 厚生労働省の第8回社会保障審議会医療保険部会 柔道整復療養費検討専門委員会(平成28年11月2日開催)の配布資料として,「柔道整復師に対する指導・監査等について」が載っています。
自賠責保険施術証明書・施術費明細書1/2
自賠責保険施術証明書・施術費明細書2/2
整骨院の施術録1/2
整骨院の施術録2/2

第1 整骨院

1 整骨院の法令上の名称は施術所です(柔道整復師法2条2項)。

2 整骨院は,柔道整復師国家試験に合格し,厚生労働大臣の免許を受けた柔道整復師(柔道整復師法2条1項,3条参照)が経営しています。
   しかし,柔道整復師は医師ではありませんから,整形外科の医師と異なり,外科手術,レントゲン検査,薬品の投与等の医療行為を行うことはできません(柔道整復師法16条及び医師法17条参照)。

3(1) 柔道整復師は,骨折又は脱臼の患部については,①応急手当を行う場合,又は②医師の同意がある場合を除き,施術を行うことはできません(柔道整復師法17条)。
(2)   柔道整復師が,施術につき同意を求める医師は,必ずしも,整形外科,外科等を標榜する医師に限られませんし,医師の同意は施術録に記載していれば足ります「柔道整復師の施術について」(昭和31年7月11日医発第627号各都道府県知事あて厚生省医務・保険局長連名通知))。
(3) 保険医療機関及び保険医療養担当規則17条は,「保険医は、患者の疾病又は負傷が自己の専門外にわたるものであるという理由によつて、みだりに、施術業者の施術を受けさせることに同意を与えてはならない。」と定めています。

4 柔道整復師の「判断書」とは,柔道整復師が患者に危害を及ぼすおそれのない範囲で疾病又は負傷の状態を把握し自らが施術できる疾病又は負傷であるか否か等を判断した結果を記載する書面をいい,医師が患者を診察し疾病又は負傷の状態を診断した結果を記載する診断書とは異なります。

5 「柔道整復師の施術について」(昭和31年7月11日医発第627号各都道府県知事あて厚生省医務・保険局長連名通知)の本文は以下のとおりです(1,2を①,②に変えました。)。
① 地方医師会等の申し合わせ等により、医師が柔道整復師から、脱臼又は骨折の患部に施術するにつき同意を求められた場合、故なくこれを拒否することのないよう指導すること。
② 社会保険関係療養費の請求の場合には、実際に医師から施術につき同意を得たむねが施術録に記載してあることが認められれば、必ずしも医師の同意書の添附を要しないものであること。
③ 応急手当の場合は、医師の同意は必要としないものであること。
④ 柔道整復師が、施術につき同意を求める医師は、必ずしも、整形外科、外科等を標榜する医師に限らないものであること。
⑤ 以上の諸点について留意するとともに従前から柔道整復師団体と都道府県知事、健康保険組合等との料金協定等を行っている都道府県については諸般の行政運営について特に円滑に行われるよう指導すること。

第2 整骨院の施術費は争われやすいこと

1(1)ア 整骨院の施術費は整形外科の治療費と比べて割高であることが普通です(1回当たり平均で6500円ぐらいかかります。)。
   また,マッサージ等により症状が楽になることもあって整形外科よりも通院頻度が多くなることが普通です。
   その結果,任意保険会社から整骨院の施術費と交通事故との因果関係を争われることが多いです。
   そのため,①病院が遠方にあるとか,②仕事をしていて病院の診療時間内に通院することができないとか,③病院の整形外科では鎮痛薬,湿布薬等の処方しかしてもらえないといった事情により,近所の整骨院に通院する場合,病院の整形外科医等に事前に相談した上で,整骨院への通院が必要である旨を診療録に記載してもらえることが望ましいです。
イ 整骨院の施術を受けることに反対しないといった消極的な医師の同意であっても,医師に無断で整骨院に行くことと比べれば,はるかにましです。
   例えば,「交通事故における整骨院通院の大きなリスク」には,「医師が整骨院通院を明確に否定しておらず,整形外科にも一定の通院(週1~月1)をしていれば,示談交渉で大きく争われることは少ないですが」と書いてあります。
(2) 交通事故に関する赤い本講演録2018年・27頁ないし36頁に「整骨院における施術費について」が載っています。

2 整形外科への通院回数と比べて整骨院への通院回数が極端に多い場合,任意保険会社において,整骨院への通院回数又は施術内容の水増しがあるのではないかといった疑念を抱いてくることがあります。

   実際,任意保険会社に通院回数又は施術内容の水増しがばれた結果,整骨院が施術費の返還を強いられたり,交通事故の被害者も通院回数又は施術内容の水増しを疑われたりすることがあります。
   そのため,整形外科への通院回数と比べて整骨院への通院回数が極端に多い場合,メモ書きで結構ですから,通院した日を記録しておいた方がいいです。

3(1) 同じ日に整形外科と整骨院の両方に行くことは許されません(グレーススポーツ整骨院HP「交通事故治療」参照)。
(2) 昭和産業健康保険組合HP「接骨院・整骨院にかかるとき」には以下の記載があります。
   同一の負傷について、同期間に医師の治療と柔道整復師の施術を重複並行的に受けた場合、原則として柔道整復師の施術料は全額自己負担になります。ただし、負傷の状態の確認のために医師の検査を受ける場合や、投薬のために病院にいくことは可能ですので、このような場合は医師の指示を得てその旨を柔道整復師に申し出てください。

4 国民健康保険を利用して整骨院に通院する場合,整骨院の施術費は1回当たり2000円から3000円ぐらいであり,3割の自己負担分は600円から900円ぐらいです。

5 健康保険等の場合,①打撲・捻挫の施術が3ヶ月を超えて継続するときは,長期施術継続理由書の上欄部分に,3月を超えて施術が必要となる理由等(「長期施術継続理由等」といいます。)を記載し,②打撲・捻挫の施術が3ヶ月を超えて継続し,かつ,1月間の施術回数の頻度が高いとき(1月当たり10~15回以上)は,長期施術継続理由書の下欄部分に,3月を超えて頻度の高い施術を行う理由等(「長期頻回施術理由等」といいます。)を,整骨院において記載する必要があります「柔道整復施術療養費に係る疑義解釈資料の送付について(平成25年4月24日付の厚生労働省保険局医療課の事務連絡)」参照)。

第3 整形外科への通院を優先すべきであること

1 一般的に,外傷に起因する捻挫や挫傷等による症状は,追突や衝突等による衝撃で筋肉や靱帯等の軟部組織が損傷を受けた際に発症するものであることから,受傷直後が最も重篤であり,その後,時間の経過に伴い損傷を受けた部位の修復が得られることにより,症状は徐々に軽減をたどるとされています。
   その関係で,通院慰謝料を計算する場合,整骨院は整形外科と同様の取扱いを受けますものの,後遺障害が残ってしまった場合に後遺障害の有無を判断する場合,整骨院は医療機関ではありませんから,整形外科への通院歴が非常に重視されます。
   そのため,事故態様等に照らして後遺障害が残る可能性がある事案の場合,同じリハビリ治療を行うのであれば,整骨院ではなく,交通事故のリハビリ治療も行っている整形外科に通院することが非常に望ましいです。

2 「交通事故」+「整形外科」+「リハビリ」+「(地名)」でネット検索をすれば,リハビリ治療をしている整形外科を探すことができます。
   例えば,「交通事故 整形外科 リハビリ 大阪市北区」という風に検索すればいいです。

3 交通事故のリハビリ治療をしていない整形外科の場合,治療のために1週間に2回通院することが難しいものの,既に通院している整形外科から通院先を変更することは望ましくありません。

   そのため,代替手段として,1週間に1回は整形外科に通院し,整形外科医の指示に基づき,1週間に1回以上,整骨院でリハビリ治療を受ければいいです。

4 日本整形外科学会HP「整形外科と整骨院(接骨院)-「整体」なども整形外科の一分野なのでしょうか?」には以下の記載があります。
   
整形外科では医師(整形外科医)が骨・関節・筋腱(運動器)・手足の神経(末梢神経)・脊椎脊髄の治療を行います。診察による理学所見とX線(レントゲン)やMRI等の検査をもとに診断し、症状や病態にあわせて投薬、注射、手術、リハビリテーション等で治療します。
整骨院(接骨院)では柔道整復師が捻挫や打撲に冷罨法、温罨法、マッサージや物理療法等の施術を行います。柔道整復師は医師ではなく、あん摩・マッサージ、はり・灸師と同じ医業類似行為の資格です。外傷による捻挫や打撲に対する施術と骨折・脱臼の応急処置が業務範囲で、変形性関節症や五十肩のような慢性疾患は取り扱えません。
   整(接)骨院に健康保険を使って外傷以外の疾患で通うことは違法です。

第4 整骨院等における公的医療保険の取扱い

1 療養費制度
(1) 公的医療保険(例えば,国民健康保険)の保険給付は,保険医療機関又は保険薬局において現物給付としての「療養の給付」を行うのが原則です(国民健康保険法54条等参照)。
   この場合,被保険者である患者は,保険医療機関又は保険薬局の窓口において,一部負担金を支払います(70歳未満の被保険者の場合,一部負担金は医療費の3割です。)。
(2)ア   現金給付としての療養費制度が適用されるのは以下のような場合です(協会けんぽHPの「療養費」参照)。
① 事業主が資格取得届の手続き中で被保険者証が未交付のため,保険診療が受けられなかったとき
② 感染症予防法により,隔離収容された場合で薬価を徴収されたとき
③ 療養のため,医師の指示により義手・義足・義眼・コルセットを装着したとき
④ 生血液の輸血を受けたとき
⑤ 柔道整復師等から施術を受けたとき
イ 生血(せいけつ)とは,病院内で採血したばかりの,処理をしていない血液をいいます。
(3)ア 国民健康保険法54条1項本文(健康保険法87条1項もほぼ同じです。)は以下のとおりです
   市町村及び組合は、療養の給付若しくは入院時食事療養費、入院時生活療養費若しくは保険外併用療養費の支給(以下この項及び次項において「療養の給付等」という。)を行うことが困難であると認めるとき、又は被保険者が保険医療機関等以外の病院、診療所若しくは薬局その他の者について診療、薬剤の支給若しくは手当を受けた場合において、市町村又は組合がやむを得ないものと認めるときは、療養の給付等に代えて、療養費を支給することができる。
イ 衆議院議員斉藤鉄夫君提出鍼・灸・マッサージ・柔道整復施術と同療養費に関する質問に対する答弁書(平成15年9月2日付)の「二の⑥について」には以下の記載があります。
   健康保険法においては、保険医療機関が被保険者に対して療養の給付を行うことが原則とされる一方、第八十七条第一項により、保険者は、療養の給付を行うことが困難であると認めるとき等は、その費用の一部を療養費として支給できることとされているが、現に医師が治療を継続している疾患に対してはり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師又は柔道整復師が施術を行ったとしても、療養費を支給することは認められていない。
(4) 大阪市の取扱いにつき,大阪市HPの「療養費・移送費・海外療養費」を参照してください。 

2 療養費の受領委任制度
(1) 総論

ア 療養費制度が適用される場合,原則として,かかった費用の全額を被保険者又は被扶養者がいったん自分で支払い,その後,自己負担額を除いた費用を保険者(例えば,協会けんぽ)に請求するという「償還払い」が原則です。
  しかし,柔道整復師の施術に係る療養費(=柔道整復施術療養費)の場合,被保険者又は被扶養者が自己負担額だけを柔道整復師に支払い,残りの費用は柔道整復師から保険者に請求してもらうという,療養費の受領委任制度を採用している整骨院が大多数です。
   そして,療養費の受領委任制度を採用している整骨院の場合,保険医療機関で治療を受ける場合と同じように,保険証を持参して受診できます。
イ 療養費の受領委任制度は昭和11年度から実施されています(厚生労働省HPの「柔道整復に係る療養費の概要」(平成26年3月18日付)参照)。
ウ 衆議院議員斉藤鉄夫君提出鍼・灸・マッサージ・柔道整復施術と同療養費に関する質問に対する答弁書(平成15年9月2日付)の「二の③について」には以下の記載があります(改行を追加しました。)。
   健康保険法においては、保険医療機関が被保険者に対して療養の給付を行うことが原則とされる一方、第八十七条第一項により、保険者は、療養の給付を行うことが困難であると認めるとき又は保険医療機関以外の者から診療、手当等を受けたことがやむを得ないと認めるときは、その費用の一部を療養費として支給できることとされている。
   柔道整復に係る療養費については、かつて整形外科を担う医師が少なかったこと、柔道整復師は脱臼又は骨折に対する応急手当をすることがあり、その場合には柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)第十七条により医師の同意を要しないこととされていること等を踏まえ、被保険者がその傷病に対する手当等を迅速に利用することを可能とする観点から、例外的に、受領委任払い(保険者と柔道整復師により構成される団体又は柔道整復師との間で契約を締結するとともに、被保険者が療養費の受領を当該契約に係る柔道整復師に委任することにより、保険者が療養費を被保険者ではなく柔道整復師に支払うことをいう。)の実施が認められているところである。
(2) 具体的な手続
ア  「柔道整復施術療養費支給申請書」(様式第5号)(山形県後期高齢者医療広域連合HPの「各種手続きの様式がほしいとき」に掲載されているもの)の「受取代理人の欄」に患者が自ら署名押印をする必要があります(療養費の受領を柔道整復師に委任する委任状の意味を有します。)。
イ 柔道整復施術療養費支給申請書については,療養費は一か月を単位として請求されるものであり,当月の最後の施術の際に患者が一か月分の施術内容を確認した上で署名を行い,これを作成することが原則です。
  しかし,整骨院への来所が患者により一方的に中止される場合があること等から,患者が来所した月の初めに署名を行い,当該申請書を作成する場合もあることは,厚生労働省としても承知しています(平成19年10月9日付の内閣答弁書の「十について」)。
ウ 療養費の受領委任制度の具体的な手続は,公益社団法人日本柔道整復師会の会員であるかどうかによって異なりますものの,基本的には同じです。
エ 療養費の受領委任制度の詳細については,厚生労働省HPの「療養費の改定等について」に掲載されている「柔道整復師の施術に係る療養費について」(平成22年5月24日付の厚生労働省保険局長通知)等で定められています。

3 整骨院で公的医療保険を使える場合と使えない場合
   以下の記載は,全国健康保険協会愛知支部HPの「柔道整復師(整骨院・接骨院)のかかり方」からほぼ抜粋したものです。
(1) 整骨院で公的医療保険を使える場合
① 外傷性の捻挫、打撲、挫傷(肉離れ)
② 医師の同意がある場合の骨折・脱臼の施術
③ 応急処置で行う骨折・脱臼の施術
→ 応急処置後の施術には医師の同意が必要です。
(2) 整骨院で公的医療保険を使えない場合
① 肩こり、筋肉疲労(日常の疲労、肩こり、体調不良や筋肉疲労、筋肉痛など)
② 慰安目的によるあんま(指圧及びマッサージを含む)代わりの利用
③ 外傷性でない疾患(神経痛、リウマチ、五十肩、ヘルニアなど)からくる痛みやコリ
④ 脳疾患後遺症などの慢性病
⑤ 仕事中や通勤途上におきた負傷
→ 業務災害又は通勤災害として労災保険の対象となります。
⑥ 症状の改善がみられない長期の施術  

4 はり・きゅうの施術の取扱い
(1) はり・きゅうの施術を受けるときに公的医療保険を使えるのは,予め医師の発行した同意書又は診断書がある場合に限られます。
(2) 整形外科等で保険医療機関で同じ負傷等の治療を受けている場合,はり・きゅうの施術を受けても公的医療保険を使えません。

5 療養費に関する国会答弁
(1) 平成12年11月16日の参議院国民福祉委員会における関本匡邦会計検査院事務総局第二局長の答弁(ナンバリング及び改行を追加しました。)

① 柔道整復師の施術に係る療養費につきましては、その支給が適正に行われているかということなどにつきまして平成五年に検査を実施しております。そして、三十六都道府県に所在いたします療養費の支給額が多い九十四の施術所の柔道整復師について検査いたしましたところ、療養費の請求が適切に行われたとは認められない事態が見受けられたわけでございます。
   まず、柔道整復師に係る施術料は、医療機関の治療を受けている負傷部位については支給対象とはならず、また神経痛等の内因性疾患については施術対象とはならないとされておりますが、医療機関の治療を受けている患者や神経痛等の患者に施術を行っている施術所が多数見受けられたわけでございます。
   それから次に、施術は療養上必要な範囲及び限度で行うものとし、特に長期または濃厚な施術とはならないよう努めなければならないとされておりますが、通常一部位あるいは二部位であります負傷部位数が三部位以上となっておりましたり、あるいは患者に対してほとんど毎日施術を行っていたり、あるいは三カ月を超える長期施術を行っていたりしておりまして、療養上必要な範囲及び限度を超えて施術を行っている施術所が多数見受けられたということがございます。
   それからまた、施術に係る療養費は、患者からの受領委任を受けた柔道整復師に支給することになっております。そして、受領委任は、請求金額等が記載された申請書に、患者の自筆で住所、氏名等を記入いたしまして押印することになっておりますが、大部分の施術所では、療養費額等について、患者自身による確認がないまま受領委任状が作成されておりましたり、あるいは施術所が署名及び押印を行っていたりしておりました。
   また、申請書に負傷原因を具体的に記載されていないために、療養費の支給の適否を確認できない施術所もあったということでございます。
   そして、調査いたしました九十四の施術所におきましては、これらの事態のいずれかに該当しておったということでございます。
②   こうしたことから、厚生大臣に対しまして、柔道整復師の施術に係る療養費についてその適正な支給を期するために、柔道整復師あるいは保険者等に対しまして療養費制度及び受領委任制度の趣旨を周知徹底させることはもとよりのことでございますが、算定基準等を適正なものにしたり、あるいは審査基準を明確にするなど審査体制の整備を図ること、あるいは施術所に対する指導、監査の体制の整備を図ることにつきまして是正改善の処置を要求したところでございます。
   これに対しまして、厚生省では、本院の指摘の趣旨に沿いまして十一年、昨年の十月までに所要の処置を講じたということでございます。
(2) 平成15年6月13日の衆議院厚生労働委員会における真野章厚生労働省保険局長の答弁(ナンバリング及び改行を追加しました。)
①   健康保険法によります給付は、保険医療機関または保険薬局によります医療の現物サービスの提供、現物給付を原則といたしておりまして、それが困難である場合などに限りまして、療養の給付にかえまして療養費払いという現金給付が認められております。
   したがいまして、鍼灸、あんま、マッサージにつきましては、対象疾患や医師の同意書等一定の要件を満たす場合に、療養費払いといたしまして保険給付の対象といたしております。
②   ただ、柔道整復師に係ります療養費につきましては、原則はそういうことなんでございますけれども、施術を行うことのできる疾患が外傷性のもので、発生原因が明確であることから、他疾患との関連が問題となることが少ないこと、それから、柔道整復師は、捻挫、打撲につきましては医師の同意なく施術を行うことが認められておりまして、骨折、脱臼等につきましても応急手当ての場合には医師の同意なく施術ができるなど、医師のいわば代替的な機能も有している、
   それから、整形外科医が不足をしていた時代におきまして、被保険者が緊急に治療を受ける機会を確保することができたという歴史的な沿革があるということから、受領委任払いを認めてきているというところでございます。
(3)   平成18年3月24日の参議院予算委員会における水田邦雄厚生労働省保険局長の答弁(ナンバリング及び改行を追加しました。)
① 健康保険法等に基づきます保険給付は、保険医療機関等からの現物給付ということで療養の給付を行うことが原則とされてございます。
   それが困難である場合で、保険者がやむを得ないと認める場合に、療養の給付に代えて現金給付として療養費払いを行うことが認められているところでございます。
② お話のありました柔道整復師が行った施術に係る療養費についてでございますけれども、これは特例的に受領委任払いが認められてございますけれども、その理由といたしましては、整形外科医が不足していた時代に患者さんが治療を受ける機会の確保を図る必要があったというまず経緯がございます。
   それからもう一つ、法律上応急手当ての場合には、医師の同意なく、柔道整復師さんの場合には医師の同意なく施術ができるということが定められておりまして、言ってみますと医師の代替機能というものを有しているという特性がございます。
   このようなことから特例的な扱いが認められているわけであります。
③   一方、マッサージ及びはり、きゅうに係る療養費の対象疾患についてでございますけれども、これは外傷性の疾患でございませんで、発生原因が不明確で治療と疲労回復等の境界が不明確であるということから、受領委任払いは認めていないと、こういう現状でございます。

第5 柔道整復師の人数及び整骨院の数の推移

1 厚生労働省HPの「平成28年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」(平成29年7月13日付)にある「就業あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師及び施術所」によれば,以下のとおりです。
 
(1) 柔道整復師の人数の推移
平成16年:3万5077人
平成18年:3万8693人
平成20年:4万3946人
平成22年:5万 428人
平成24年:5万8573人
平成26年:6万3873人
平成28年:6万8120人
(2) 柔道整復の施術所(=整骨院)の数の推移
平成16年:2万7771件
平成18年:3万 787件
平成20年:3万4839件
平成22年:3万7997件
平成24年:4万2431件
平成26年:4万5572件
平成28年:4万8024件
  
2(1) 衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況は2年に1回,実施される調査です。
(2) 直近のものは以下のとおりです。
① 「平成26年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」(平成27年7月16日付)
② 「平成28年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」(平成29年7月13日付)

第6 柔道整復師が急増するようになったこと

1 福岡地裁平成10年8月27日判決の裁判要旨
   厚生大臣が,柔道整復師養成施設指定申請に対し,柔道整復師の従事者数は相当増加している状況にあり,養成力の増加を伴う施設を新たに設置する必要性が見いだし難いこと等を理由としてした,同指定を行わない旨の処分につき,当該申請は所定の指定基準を満たしているところ,柔道整復師法の制定経緯,柔道整復師とその免許等において類似するあん摩マツサージ指圧師,はり師,きゆう師等に関する法律19条1項があん摩マッサージ指圧師等の養成施設の認定,承認をしないことができる例外を設けているのに対し,柔道整復師法にはこのような規定がないことからすると,申請について所定の指定基準が満たされている以上,処分庁において裁量の余地はなく,厚生大臣は前記申請に対し指定を行わなければならなかったものであり,また,仮に,裁量の余地があるとしても,前記処分の理由では,厚生大臣の裁量権の行使には逸脱があったというべきであるから,前記処分は違法である。
 
2 柔道整復師の急増状況
(1) 平成10年当時,柔道整復師養成施設は14校しかありませんでしたが,福岡地裁平成10年8月27日判決に基づき,厚生省が,柔道整復師学校養成施設指定規則さえ満たせば柔道整復師養成施設の設置を認めるようになりました。
   その結果,平成25年4月現在で柔道整復師養成施設が107校となり,柔道整復師国家試験の合格者も第10回試験(平成14年)までは1000人前後であったのに対し,第11回試験(平成15年)以降急増し,第16回試験(平成20年)以降,5000人前後が合格するようになりました(外部HPの「柔道整復師専門学校の規制緩和について確認する」参照)。
(2) 最近の柔道整復師国家試験の合格者数等は以下のとおりです。
① 第22回試験(平成26年3月27日合格発表)
   受験者数が7102人,合格者数が5349人,合格率は75.3%
② 第23回試験(平成27年3月27日合格発表)
   受験者数が6858人,合格者数が4503人,合格率は65.7%
③ 第24回試験(平成28年3月28日合格発表)
   受験者数が7122人,合格者数が4583人,合格率は64.3%
④ 第25回試験(平成29年3月28日合格発表)
   受験者数が6727人,合格者数が4274人,合格率は63.5%
(3) 柔道整復師国家試験等の最新の合格発表データは,厚生労働省HPの国家試験合格発表に掲載されています。

第7 整骨院の広告は大幅に制限されていること

1  整骨院は,以下の事項についてしか広告を出すことができません。
(1) 柔道整復師法24条1項1号ないし3号に基づく事項
① 柔道整復師である旨並びにその氏名及び住所
② 施術所の名称,電話番号及び所在の場所を表示する事項
③ 施術日又は施術時間
(2) 柔道整復師法24条1項4号に基づき厚生労働大臣が指定する事項
① ほねつぎ又は接骨
② 医療保険療養費支給申請ができる旨(脱臼又は骨折の患部の施術に係る申請については医師の同意が必要な旨を明示する場合に限る。)
③ 予約に基づく施術の実施
④ 休日又は夜間における施術の実施
⑤ 出張による施術の実施
⑥ 駐車設備に関する事項
 
2 柔道整復師の技能,施術方法又は経歴に関する事項を広告に記載することはできません(柔道整復師法24条2項)。

第8 柔道整復師が放射線を人体に照射することを業とした場合の罪責

1 昭和26年8月10日施行の診療放射線技師法24条,31条1号は,それぞれ医師法17条,31条1項1号の特別規定として,医師,歯科医師,診療放射線技師及び診療エックス線技師(診療放射線技師法附則5条4項参照)以外の者に対し,放射線を人体に照射することを業とすることを禁止し,これに違反した者を処罰する規定であり,憲法22条1項及び憲法25条には違反しません(最高裁昭和58年7月14日判決参照)。

2   柔道整復師が放射線を人体に照射することを業とした場合,診療放射線技師法24条に違反し,31条1号の罪が成立するにとどまり,医師法17条に違反した者を処罰する同法31条1項1号の罪は成立しません(最高裁平成3年2月15日決定)。

第9 あんま,マッサージ,はり・きゅう,並びに整体院及びカイロプラクティック

1 あん摩・マッサージ,はり・きゅう
(1) あん摩・マッサージ,はり・きゅうの場合,医師の同意がない限り国民健康保険を使えません(協会けんぽHPの「はり・きゅうのかかり方」及び「あん摩・マッサージのかかり方」)。
(2)ア 医師以外の者で,あん摩,マッサージ若しくは指圧,はり又はきゆうを業としようとする者は,それぞれ,あん摩マッサージ指圧師免許,はり師免許又はきゆう師免許を受けなければなりません(あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(略称は「あはき法」です。)1条)。
イ 厚生労働省HPに「無資格者によるあん摩マッサージ指圧業等の防止について 」が載っています。
(3)ア 最高裁大法廷昭和35年1月27日判決は以下のとおり判示しています(改行を追加しました。)。
   憲法二二条は、何人も、公共の福祉に反しない限り、職業選択の自由を有することを保障している。
   されば、あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法一二条が何人も同法一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならないと規定し、同条に違反した者を同一四条が処罰するのは、これらの医業類似行為を業とすることが公共の福祉に反するものと認めたが故にほかならない。
   ところで、医業類似行為を業とすることが公共の福祉に反するのは、かかる業務行為が人の健康に害を及ぼす虞があるからである。それ故前記法律が医業類似行為を業とすることを禁止処罰するのも人の健康に害を及ぼす虞のある業務行為に限局する趣旨と解しなければならないのであつて、このような禁止処罰は公共の福祉上必要であるから前記法律一二条、一四条は憲法二二条に反するものではない。
イ 理容師又は美容師によるマッサージは,人の健康に害を及ぼすおそれがない限り,あはき法に基づく禁止対象にはならないのかもしれません。
(4)ア 平成31年1月1日,はり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術
2 整体院及びカイロプラクティック 
(1)ア 整体院又はカイロプラクティックは,整骨院とは異なります。
   整体院又はカイロプラクティックの場合,施術者は国家資格を持っていませんし,公的医療保険を利用することもできませんから,整骨院への通院以上に治療の必要性及び相当性が争われます。
イ ヘルシー・ラボRYJU HP「頸椎をボキボキする整体・カイロプラクティックにご注意を!!」が載っています。
(2) 小松亀一法律事務所HP「鍼灸・マッサージ費用等医師治療費以外の治療費」には,「
民間療法である整体費用について損害と認められた判例は見つけることが出来ず、逆に理容師による整体術を受けたことが被害者側の損害拡大の過失と評価された例があり要注意です。」と書いてあります。
(3) 日本整形外科学会HP「整形外科とカイロプラクティック―カイロプラクティックとはどのような治療法でしょうか?」に以下の記載があります。
   カイロプラクティックは19世紀の終わりにアメリカで考案された脊椎矯正手技療法です。
   内臓をはじめとして身体のさまざまな不調が脊椎骨の配列の乱れによる神経圧迫に起因するとの考えから、この乱れを矯正して身体機能を回復させようとするものです。一部の国では資格試験もありますが、日本ではカイロプラクティックの公的な資格はなく、国に認められた学校もありません。つまり、誰もがカイロプラクターを名乗ることが可能です。
   法に基づいた資格である柔道整復師やあん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師(あはき師)と異なり、整体などと同様に法的な根拠のない医業類似行為に分類されます。米国の公的な資格を取得した施術者もあれば、数日の講習を受けて開業する施術者もあり、そのレベルは様々で、健康被害を生じた報告もあります。
   日本国内でこれを行おうとするなら、まず医師免許を取得して行うべきと思われます。

第10 医業類似行為に対する取扱いについて

〇厚生労働省HPに載ってある「医業類似行為に対する取扱いについて」(平成3年6月28日付の厚生省健康政策局医事課長通知)は以下のとおりです。

医業類似行為に対する取扱いについて(平成三年六月二八日)(医事第五八号)
(各都道府県衛生担当部(局)長あて厚生省健康政策局医事課長通知)
近時、多様な形態の医業類似行為又はこれと紛らわしい行為が見られるが、これらの行為に対する取扱いについては左記のとおりとするので、御了知いただくとともに、関係方面に対する周知・指導方よろしくお願いする。
1 医業類似行為に対する取扱いについて
(1) あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復について
   医業類似行為のうち、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復については、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律(昭和二十二年法律第二百十七号)第十二条及び柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)第十五条により、それぞれあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師の免許を有する者でなければこれを行ってはならないものであるので、無免許で業としてこれらの行為を行ったものは、それぞれあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律第十三条の五及び柔道整復師法第二十六条により処罰の対象になるものであること。
(2) あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復以外の医業類似行為について
   あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復以外の医業類似行為については、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律第十二条の二により同法公布の際引き続き三か月以上医業類似行為を業としていた者で、届出をした者でなければこれを行ってはならないものであること。したがって、これらの届出をしていない者については、昭和三十五年三月三十日付け医発第二四七号の一厚生省医務局長通知で示したとおり、当該医業類似行為の施術が医学的観点から人体に危害を及ぼすおそれがあれば禁止処罰の対象となるものであること。
2 いわゆるカイロプラクティック療法に対する取扱いについて
   近時、カイロプラクティックと称して多様な療法を行う者が増加してきているが、カイロプラクティック療法については、従来よりその有効性や危険性が明らかでなかったため、当省に「脊椎原性疾患の施術に関する医学的研究」のための研究会を設けて検討を行ってきたところである。今般、同研究会より別添のとおり報告書がとりまとめられたが、同報告においては、カイロプラクティック療法の医学的効果についての科学的評価は未だ定まっておらず、今後とも検討が必要であるとの認識を示す一方で、同療法による事故を未然に防止するために必要な事項を指摘している。
   こうした報告内容を踏まえ、今後のカイロプラクティック療法に対する取扱いについては、以下のとおりとする。
(1) 禁忌対象疾患の認識
   カイロプラクティック療法の対象とすることが適当でない疾患としては、一般には腫瘍性、出血性、感染性疾患、リュウマチ、筋萎縮性疾患、心疾患等とされているが、このほか徒手調整の手技によって症状を悪化しうる頻度の高い疾患、例えば、椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症、骨粗しょう症、環軸椎亜脱臼、不安定脊椎、側彎症、二分脊椎症、脊椎すべり症などと明確な診断がなされているものについては、カイロプラクティック療法の対象とすることは適当ではないこと。
(2) 一部の危険な手技の禁止
   カイロプラクティック療法の手技には様々なものがあり、中には危険な手技が含まれているが、とりわけ頚椎に対する急激な回転伸展操作を加えるスラスト法は、患者の身体に損傷を加える危険が大きいため、こうした危険の高い行為は禁止する必要があること。
(3) 適切な医療受療の遅延防止
   長期間あるいは頻回のカイロプラクティック療法による施術によっても症状が増悪する場合はもとより、腰痛等の症状が軽減、消失しない場合には、滞在的に器質的疾患を有している可能性があるので、施術を中止して速やかに医療機関において精査を受けること。
(4) 誇大広告の規制
   カイロプラクティック療法に関して行われている誇大広告、とりわけがんの治癒等医学的有効性をうたった広告については、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律第十二条の二第二項において準用する第七条第一項又は医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第六十九条第一項に基づく規制の対象となるものであること。
別添 略

第11 保険施術及び療養費の請求に関する定め

○日本柔道整復師会の会員について適用される,柔道整復師の施術に係る療養費の受領委任の取扱いに関する協定書(「柔道整復師の施術に係る療養費について」(平成22年5月24日付の厚生労働省保険局長書簡)別添1)のうち,保険施術及び療養費の請求に関する定めは以下のとおりです(文中の「丁」は,都道府県知事等から登録された,日本柔道整復師会の会員のことです(協定書9項参照)。)。

第3章 保険施術の取扱い
(施術の担当方針)
14 丁及び勤務する柔道整復師は、関係法令及び通達を遵守し、懇切丁寧に柔道整復に係る施術(以下「施術」という。)を行うこと。
   また、施術は、被保険者又は被扶養者である患者(以下「患者」という。)の療養上妥当適切なものとすること。
(受給資格の確認等)
15 丁は、患者から施術を求められた場合は、その者の提出する被保険者証(健康保険被保険者受給資格者票、健康保険被保険者特別療養費受給票、船員保険被扶養者証を含む。以下同じ。)によって療養費を受領する資格があることを確認すること。
   ただし、緊急やむを得ない事由によって被保険者証を提出することができない患者であって、療養費を受領する資格が明らかなものについてはこの限りでないが、この場合には、その事由がなくなった後、遅滞なく被保険者証を確認すること。
(療養費の算定、一部負担金の受領等)
16 丁は、施術に要する費用について、別に厚生労働省保険局長が定める「柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準」(以下「算定基準」という。)により算定した額を保険者等に請求するとともに、患者から健康保険法、船員保険法、国民健康保険法及び高齢者医療確保法に定める一部負担金に相当する金額の支払いを受けるものとすること。
   なお、患者から支払いを受ける一部負担金については、これを減免又は超過して徴収しないこと。
   ただし、算定基準の備考5.により算定する場合は、当該施術に要する費用の範囲内に限り、算定基準により算定した費用の額を超える金額の支払いを受けることができること。
   また、請求に当たって他の療法に係る費用を請求しないこと。
(領収証の交付)
17 丁は、患者から一部負担金の支払を受けるときは、正当な理由がない限り、領収証を無償で交付するとともに、患者から求められたときは、正当な理由がない限り、当該一部負担金の計算の基礎となった項目ごとに記載した明細書を交付すること。
(意見書の交付)
18 丁は、患者から傷病手当金を受けるために必要な傷病手当金意見書の交付を求められたときは、無償で交付すること。
(施術録の記載)
19 開設者及び丁は、受領委任に係る施術に関する施術録をその他の施術録と区別して作成し、必要な事項を記載した上で、施術が完結した日から5年間保存すること。
(医師の同意の記載)
20 丁及び勤務する柔道整復師は、骨折及び脱臼に対する施術を医師の同意を得て行った場合は、施術録にその旨を記載するとともに、第4章23の申請書に記載すること。
(保険者への通知)
21 丁は、患者が次の事項に該当する場合は、遅滞なく意見を附してその旨を保険者等に通知すること。
⑴ 闘争、泥酔又は著しい不行跡によって事故を起こしたと認められたとき。
⑵ 正当な理由がなくて、施術に関する指揮に従わないとき。
⑶ 詐欺その他不正な行為により、施術を受け、又は受けようとしたとき。
(施術の方針)
22 丁及び勤務する柔道柔整師は、施術の必要があると認められる負傷に対して、的確な判断のもとに患者の健康の保持増進上妥当適切に施術を行うほか、以下の方針によること。
⑴ 施術に当たっては、懇切丁寧を旨とし、患者の治療上必要な事項は理解しやすいように指導すること。
⑵ 施術は療養上必要な範囲及び限度で行うものとし、とりわけ、長期又は濃厚な施術とならないよう努めること。
⑶ 現に医師が診療中の骨折又は脱臼については、当該医師の同意が得られている場合のほかは、施術を行わないこと。ただし、応急手当をする場合はこの限りでないこと。
   この場合、同意を求めることとしている医師は、原則として当該負傷について診療を担当している医師とするが、当該医師の同意を求めることができないやむを得ない事由がある場合には、この限りではないこと。
⑷ 柔道整復師法等関係法令に照らして医師の診療を受けさせることが適当であると判断される場合は、医師の診療を受けさせること。

第4章 療養費の請求
(申請書の作成)
23 丁は、保険者等に療養費を請求する場合は、次に掲げる方式により柔道整復施術療養費支給申請書(以下「申請書」という。)を作成し、速やかな請求に努めること。
⑴ 申請書の様式は、様式第5号又はそれに準ずる様式とすること。
⑵ 申請書を月単位で作成すること。
⑶ 同一月内の施術については、施術を受けた施術所が変わらない限り、申請書を分けず、一の申請書において作成すること。(同一月内に治癒又は中止した後に、新たな負傷が発生した場合を含む。)
⑷ 申請書の「受取代理人」欄は、患者の自筆により被保険者の住所、氏名、委任年月日の記入を受けること。患者が記入することができない場合には、柔道整復師が自筆により代理記入し患者から押印を受けること。
⑸ 3部位目を所定料金の100分の70に相当する金額により算定することとなる場合は、すべての負傷名にかかる具体的な負傷の原因を申請書の「負傷の原因」欄に記載すること。
⑹ 施術日がわかるよう申請書に記載すること。
(申請書の送付)
24 丁は、申請書を保険者等毎に取りまとめ、丙に送付すること。
   丙は、様式第6号及び様式第7号又はそれに準ずる様式の総括票を記入の上、それぞれを添付し、原則として、毎月10日までに、保険者等へ送付すること。ただし、26により国民健康保険等柔道整復療養費審査委員会が設置されている場合は国民健康保険団体連合会(以下「国保連合会」という。)へ送付すること。
(申請書の返戻)
25 保険者等又は国保連合会は、申請書の事前点検を行い、申請書に不備がある場合は、丁が所属する各都道府県社団法人柔道整復師会長を経由して丁に返戻すること。
確約書(協定書を遵守することを確約するもの)
柔道整復施術療養費の受領委任の取扱いに係る届け出(同意書)
柔道整復施術療養費の受領委任の取扱いの登録について
柔道整復施術療養費支給申請書
1(1) 交通事故(検察審査会を含む。)及び債務整理の初回の面談相談は無料であり,相続情報公開請求等の面談相談は30分3000円(税込み)です。
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2 執務時間は原則として平日の午前10時から午後7時30分までですが,事前のご予約があれば,午後8時30分まで夜間相談可能です。
 
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)については,略歴及び取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図を参照してください。