診療録等の文書送付嘱託

第1 診療録等の文書送付嘱託

1 診療録等の写しを主治医から任意に交付してもらうことが人間関係等に照らして難しい場合(代理人弁護士を通す場合を含む。)であっても,訴訟提起をした後の文書送付嘱託の申立てを利用することで,診療録等の写しを入手することができます。
 
2 文書送付嘱託というのは,裁判所が,当事者からの申立てにより,文書の所持者に対し,文書の送付を嘱託する手続であり(民事訴訟法226条),裁判所に送付された文書については,相手方にも閲覧・謄写の機会を与えられます。
 
3 レントゲン,MRI等の画像記録を送付してもらった場合,1枚当たり540円ぐらいかかる反面,必ずしも画像記録まで必要となるわけではありません。
    また,とりあえずカルテ等の文書だけを取り寄せた上で,画像記録についてはカルテ等の記載に基づき個別に取り寄せることで足りる場合が多いです。
    そのため,文書送付嘱託の申立てをする場合,画像記録は省略されることがあります。
 
4 過去の既往症が事故に基づく症状に影響していると考えられる場合において,被害者が事故日以前の初診日からのカルテ等の文書送付嘱託に同意しなかったとしても,当該カルテ等について医師が職務上知り得た事実で黙秘すべきものと認めてもらえない限り(民事訴訟法220条4号ハ・197条2号参照),最終的には,裁判所の文書提出命令(民事訴訟法223条)によって証拠として提出されることになります。
 
5   裁判所は,第三者である医療機関に対して文書提出命令を発令する場合,事前に,書面審尋を実施します(民事訴訟法223条2項)。

6 東弁リブラ2008年10月号に掲載されている「民事訴訟における証拠収集手続-文書送付嘱託,文書提出命令を中心に-モデル書式付き」が非常に参考になります。

7 民事裁判所から不起訴記録の文書送付嘱託をした場合の検察庁の取扱いについては,「交通事故事件の刑事記録の入手方法」を参照してください。

8(1) 「裁判所等からの文書提出命令等に関する労基署の取扱い」も参照してください。
(2) 労働基準監督署に対する文書送付嘱託の取り扱いについては,裁判所からの文書送付嘱託等への対応に係る標準事務処理要領(平成27年5月付の厚生労働省労働基準局安全衛生部の文書)に詳しく書いてあります。

第2 文書送付嘱託における「文書の表示」の記載方法

○文書送付嘱託における「文書の表示」は,以下のとおり記載します。
   ただし,交通事故とは関係のない内科等のカルテは取り寄せたくない場合,「整形外科の診療に際して作成された」という文言を追加しておいた方がいいです。
 
1 事故日からカルテ等の文書のみの送付を求める場合
   下記患者に関する,平成○○年○○月○○日(本件交通事故日)以降に,診療に際して作成されたカルテ,看護記録,各種検査記録,その他一切の書類(ただし,レントゲン,MRI等の画像記録は除く。)

患者氏名 甲野太郎(こうのたろう)
生年月日 昭和○○年○○月○○日
住所   大阪市北区西天満4丁目7番3号
 
2 事故日からカルテ等の文書+レントゲン等の画像資料の送付を求める場合
   下記患者に関する,平成○○年○○月○○日(本件交通事故日)以降に,診療に際して作成された
① カルテ,看護記録,各種検査記録,その他一切の書類
② レントゲン,MRI等の画像記録(CD-Rによる送付は可)

患者氏名 甲野太郎(こうのたろう)
生年月日 昭和○○年○○月○○日
住所   大阪市北区西天満4丁目7番3号
 
3 事故日以前の初診日からカルテ等の文書のみの送付を求める場合
   下記患者に関する,事故日以前の初診日以降に,診療に際して作成されたカルテ,看護記録,各種検査記録,その他一切の書類(ただし,レントゲン,MRI等の画像記録は除く。)

患者氏名 甲野太郎(こうのたろう)
生年月日 昭和○○年○○月○○日
住所   大阪市北区西天満4丁目7番3号
   本件訴訟において,既往症が問題となっているため事故日以前の初診日からの記録を求めます。
 
4 事故日以前の初診日からカルテ等の文書+レントゲン等の画像資料の送付を求める場合
   下記患者に関する,事故日以前の初診日以降に,診療に際して作成された
① カルテ,看護記録,各種検査記録,その他一切の書類
② レントゲン,MRI等の画像記録(CD-Rによる送付は可)

患者氏名 甲野太郎(こうのたろう)
生年月日 昭和○○年○○月○○日
住所   大阪市北区西天満4丁目7番3号
   本件訴訟において,既往症が問題となっているため事故日以前の初診日からの記録を求めます。
1 相談予約の電話番号は06-6364-8525であり,交通事故及び債務整理の初回の面談相談は無料であり,相続情報公開請求等の面談相談は30分3000円(税込み)です。
   交通事故及び債務整理については,無料の電話相談もやっています。
  
2 執務時間は原則として平日の午前10時から午後7時30分までですが,事前のご予約があれば,午後8時30分まで夜間相談可能です。
 
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)の略歴取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ等はこちらであり,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図はこちらです。