タクシー業界に対する規制

第1 道路運送法に基づく規制

1 タクシー運転手は,法令所定の事由がない限り,運送の引受を拒絶することはできません(道路運送法13条)。
    つまり,正当な理由のない乗車拒否は禁止されており,違反に対しては100万円以下の罰金が予定されています(道路運送法98条6号)。

2 タクシー運転手は,急病人を運送する場合その他正当な事由がない限り,運送の申込みを受けた順序により,旅客の運送をする必要があります(道路運送法14条)。

3 平成12年5月26日法律第86号(平成14年2月1日施行)による道路運送法の改正前は,自動車運送事業は免許制であり,供給輸送力が輸送需要量に対し不均衡とならないこと等が免許を受ける条件とされ,需給調整規制がなされていました。
  しかし,平成14年2月1日以後,自動車運送事業は許可制となって需給調整規制が廃止され,①営業所,②車両数,③車庫,④休憩・仮眠体制,⑤運行管理体制,⑥運転者・運行管理者・整備管理者,⑦資金計画,⑧損害賠償能力等の一定の条件を満たせば当然に許可が下りるようになりました(いわゆる「タクシー規制緩和」)。

第2 タクシー業務適正化特別措置法に基づく規制

1 特定地域(タクシー業務適正化特別措置法2条5項。いわゆる流し営業中心の地域であり,東京23区の他,主な政令指定都市及びその周辺が対象。)におけるタクシー事業については,タクシー業務適正化特別措置法(昭和45年5月19日法律第75号。なお,平成14年1月31日までは,タクシー業務適正化臨時措置法という名称でした。)の適用があります。

2 具体的には,以下の規制が適用されます。
① 運輸支局等が管理するタクシー運転者登録原簿に登録を受けている者(=登録運転者)でない限り,タクシーに乗務することができません(タクシー業務適正化特別措置法3条本文)。
② 登録タクシー運転者証をタクシーに表示する必要があります(タクシー業務適正化特別措置法13条本文)。
③ 以下の特定指定地域(タクシー業務適正化特別措置法2条6項,タクシー業務適正化特別措置法施行令1条2項)においてタクシー運転手となろうとする場合,適正化事業実施機関(タクシー業務適正化特別措置法34条に基づく機関であり,(a)財団法人東京タクシーセンター,(b)財団法人大阪タクシーセンター及び(c)一般財団法人神奈川タクシーセンターがあります。)が実施する地理試験に合格する必要があります(タクシー業務適正化特別措置法48条及び49条)。
(a) 東京23区,武蔵野市及び三鷹市
(b) 大阪市,堺市(美原区を除く。),豊中市,池田市,吹田市,泉大津市,高槻市,守口市,茨木市,八尾市,和泉市,箕面市,門真市,摂津市,高石市,東大阪市,三島郡及び泉北郡の区域
(c) 横浜市,川崎市,横須賀市及び三浦市

第3 タクシー適正化・活性化特別措置法に基づく規制

1 特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法(平成21年6月26日法律第64号。平成21年10月1日施行)(=タクシー適正化・活性化特別措置法)に基づき,以下のとおり規制が再び強化されました。
① 供給過剰の進行等によりタクシーが地域公共交通としての機能を十分に発揮できていない地域について,国土交通大臣が「特定地域」と指定することとなりました(タクシー適正化・活性化特別措置法3条)。
② 特定地域では,地域の関係者により組織される協議会が(a)タクシーサービスの活性化,(b)事業経営の活性化,効率化,(c)タクシー運転者の労働条件の悪化の防止,及び改善・向上,(d)交通問題,環境問題,都市問題の改善,(e)タクシーの供給抑制,並びに(f)過度な運賃競争への対策に関して,「地域計画」を作成します(タクシー適正化・活性化特別措置法9条)。
    ここでいう地域の関係者とは,(a)地方運輸局長,(b)関係地方公共団体の長,(c)タクシー事業者・団体,(d)タクシー運転者の団体,(e)地域住民,(f)その他(学識経験者,関係行政機関等)をいいます(タクシー適正化・活性化特別措置法8条)。
③ 特定地域では,タクシー事業者は,地域計画に即してタクシー事業の適正化・活性化に資する取組み(=特定事業)を実施するための特定事業計画を作成し,国土交通大臣の認定を受けられます(タクシー適正化・活性化特別措置法11条)。
   その際,必要に応じて事業再構築(例えば,供給輸送力減少の方法として減車及び休車)を単独又は共同で行うことができます(タクシー適正化・活性化特別措置法11条3項,12条)。
④ 特定地域では,タクシー事業者が増車する場合,届出制ではなくなり,国土交通大臣の認可が必要となります(タクシー適正化・活性化特別措置法15条1項・道路運送法15条1項)。

2(1) 具体的にどの交通圏が特定地域に該当するかについては,平成21年10月1日国土交通省告示第1038号及び平成22年4月1日国土交通省告示第296号で定められています。
大阪府の場合,平成21年10月1日に①大阪市域交通圏,②北摂交通圏,③河北交通圏,④河南B交通圏及び⑤泉州交通圏が特定地域に指定され,平成22年4月1日に⑥河南交通圏が特定地域に指定されましたから,現在,特定地域に該当しないのは,⑦豊能郡(とよのぐん)交通圏だけです。
(2)   大阪府下の交通圏に関する地図は,一般社団法人大阪タクシー協会のホームページ(http://www.osakataxi.or.jp/)に掲載されています。

3(1) 大阪府下の①ないし⑤の交通圏については,大阪府タクシー特定地域合同協議会が,平成22年3月25日の第5回協議会において,「大阪府下5交通圏タクシー特定地域協議会の地域計画」を作成し,同年4月2日,これを公表しました。
  よって,これらの交通圏においてタクシー事業者が国土交通大臣の認定を受けた上で,減車及び休車を実施できるようになりました。
(2) 交通圏というのは,輸送の安全,旅客の利便等を勘案して,地方運輸局長(例えば,近畿運輸局長)が定める区域のことであり(道路運送法5条1項3号,道路運送法施行規則5条),タクシーの営業区域を意味します。
現在,大阪府には7個の交通圏が存在し,平成21年7月17日現在,全国には643個の交通圏が存在します。

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