交通事故事件の刑事記録の入手方法

第0 目次

第1 総論
第2 謄写業者及び確定した刑事記録の保管場所
第3の1 刑事裁判係属中の,起訴事件の刑事記録の入手方法(被害者側)
第3の2 刑事裁判係属中の,起訴事件の刑事記録の入手方法(加害者である被告人側)
第4 加害者の刑事裁判の判決が確定した後の,起訴事件の刑事記録の入手方法
第5の1 不起訴事件記録(例えば,実況見分調書及び物件事故報告書)の入手方法
第5の2 被害者参加対象事件(例えば,人身の交通事故)において閲覧又は謄写の対象となる不起訴事件記録
第6 民事裁判所から不起訴事件記録の文書送付嘱託等がなされた場合の取扱い
第7の1 交通事故事件の刑事確定記録の保管期間
第7の2 交通事故事件の不起訴記録の保管期間
第8 少年事件記録の入手方法
第9 訓令及び通達 

第1 総論

1(1)   交通事故の刑事記録に関して後述する取り寄せ方法は,①加害者が起訴されて刑事裁判が係属している場合,②起訴された加害者の刑事裁判の判決が確定した場合,③加害者が不起訴となった場合,又は④少年の加害者について審判開始決定が出た場合に関するものです。
  そして,刑事事件の捜査が継続している場合(=加害者がまだ起訴されていない場合),刑事記録を入手することはできません。
(2) 刑事記録の取り寄せで不可欠となる交通事故証明書の入手方法については,「交通事故証明書及び自動車安全運転センター」を参照して下さい。

2(1) 交通事故事件の刑事記録としては,実況見分調書,被疑者供述調書及び被害者供述調書があります。
   加害者が起訴された場合,原則として実況見分調書,被疑者供述調書及び被害者供述調書を入手できるのに対し,加害者が起訴されなかった場合,原則として実況見分調書しか入手できません。
(2) 刑事記録の具体的中身については,
「交通事故事件の刑事記録」を参照してください。 

3(1) 起訴事件の刑事記録は,①手続関係調書(例えば,起訴状,公判調書(手続)及び判決書),②証拠関係書類(例えば,証拠等関係カード,証拠書類及び公判調書(供述)),③身柄関係書類,④その他の書類及び⑤裁判員等選任手続関係書類に分かれます。
(2) 起訴事件の刑事記録の具体的中身については,「刑事訴訟記録の編成」を参照してください。

4 被害者が検察庁に処分結果の通知を希望する場合の手続については,「被害者等通知制度実施要領」を参照してください。 

5 大阪地検の記録の取扱いについては,「大阪地検の記録事務取扱要領」を参照してください。 

6 各地の検察庁の執務規程等については,「検察修習」を参照してください。 

第2 謄写業者及び確定した刑事記録の保管場所

1 謄写業者
(1) 大阪の場合,刑事記録を謄写(コピー)する際に利用する謄写業者は以下のとおりです。
①  加害者の刑事裁判係属中の,起訴事件の刑事記録の場合(一般財団法人司法協会HPの「記録謄写(複写)」参照)
・ 大阪地裁本庁に係属している場合
   「本庁」1階に入居している司法協会大阪出張所(電話:06-6336-1290)
・ 大阪地裁堺支部に係属している場合
   司法協会堺出張所(電話:072-227-4781) 
・ 大阪地裁岸和田支部に係属している場合
   司法協会岸和田出張所(電話:072-441-4374)
②  加害者の刑事裁判の判決が確定した後の,起訴事件の刑事記録
・ 大阪地検本庁に保管されている場合
    西村謄写館(電話:06-6455-2280)又はOPO謄写センター(電話:06-4796-2299)
・ 大阪地検堺支部又は岸和田支部に保管されている場合
    西村謄写館(電話:06-6455-2280)
③ 不起訴事件の刑事記録
   ②の場合と同じです。
(2)ア 岸和田支部に保管されている刑事記録の謄写を西村謄写館に依頼する場合,西村謄写館が検察庁にその都度,コピー機を持ち込んでコピーしている関係で,枚数に応じた出張料を請求されます(全国弁護士協同組合HPにある,大阪弁護士協同組合の「当組合おすすめお役立ち情報」参照)。
イ 岸和田支部への出張は週に1回だけですから,岸和田支部の刑事記録を謄写する場合,特に時間がかかります(早い場合は10日から2週間,長い場合は2ヶ月ぐらいらしいです。)。
   そのため,例えば,実況見分調書だけが欲しい場合,とりあえずは,デジカメ等で接写した上でプリントアウトしたものを利用した方がいいかもしれません。
ウ 平成21年3月までは,大阪弁護士協同組合が大阪地検堺支部の記録謄写業務を行っていたものの,同年4月以降,西村謄写館が大阪地検堺支部の記録謄写業務を行うようになりました(友新会HPの「第6回 事件記録の謄写問題が解決-地検堺支部」参照)。
(3) 京都地家裁の裁判記録の謄写については,京都弁護士協同組合HPの「地家裁謄写について」が,京都地検の刑事記録の謄写については,京都弁護士協同組合HPの「検察謄写について」が非常に参考になります。
(4) 全国弁護士協同組合HPにある,熊本弁護士協同組合の「当組合おすすめお役立ち情報」に,不起訴記録閲覧・謄写申請書,保管記録閲覧請求書及び謄写申出書の書式が載っています。

2 確定した刑事記録の保管場所
(1)ア 刑事事件について控訴又は上告された場合であっても,判決が確定した後は,第一審の裁判所を通じて対応する検察庁に送付されます刑事訴訟規則304条)。
   そのため,刑事記録の保管場所は,地裁が第一審の刑事事件の場合は地方検察庁であり,簡裁が第一審の刑事事件の場合(例えば,罰金の略式命令の場合)は区検察庁です(刑事確定訴訟記録法2条1項参照)。
イ 高松高検HPの「刑事事件記録の閲覧・謄写」には,「刑事事件記録の閲覧・謄写の請求は,第一審の裁判をした裁判所に対応する検察庁の検察官に対して行えます。」と書いてあります。
(2) 大阪の場合,大阪地検・大阪区検は,大阪池田区検,豊中区検,吹田区検,茨木区検,東大阪区検及び枚方区検に関する問い合わせを受け付けています。
   大阪地検岸和田支部・岸和田区検は,佐野区検に関する問い合わせを受け付けています。
   羽曳野区検は,富田林区検に関する問い合わせを受けて付けています(大阪地検HPの「管内検察庁の所在地・交通アクセス」参照)。

3 検察庁HPの説明
   京都地検HPの「検務部門の業務」の「記録担当」には,以下の記載があります。
(以下引用)  
   裁判が終結するなど全ての手続が終了した書類(記録)を一定期間保管・管理しています。
記録の閲覧についても取り扱っています。ただし,法律により閲覧が制限されることがあります。
〇交通事故の記録については膨大な数が取り扱われているため,閲覧の申込みには次の点に留意願います。
(1) 警察から検察庁に書類が送付されているか。
警察から書類が送付されていない場合,検察庁で処理できませんので,まず事故の取扱警察署に確認してください。
(2) 検察庁の処分等が終わっているか。
捜査中の記録等は閲覧できないため,検察庁の事件担当に処分状況をおたずねください。
〇被害者の方については,当庁の被害者支援員に相談して頂ければ,閲覧までのアドバイスを受けることができます。

第3の1 刑事裁判係属中の,起訴事件の刑事記録の入手方法(被害者側)

以下の記載は,被害者又はその代理人弁護士が,加害者の刑事裁判係属中に,起訴事件の刑事記録を入手する場合に関する取扱いです。

1 第1回公判期日前の,最高検察庁の通達に基づく刑事記録の閲覧・謄写

(1) 第1回公判期日前の,最高検察庁の通達に基づく刑事記録の閲覧・謄写は,加害者の刑事裁判に対して被害者参加の申出をした被害者(刑事訴訟法316条の33以下)(以下「被害者参加人」といいます。)についてだけ認められています。
(2) 被害者参加人は,原則として,検察官請求証拠の閲覧が認められているものの,謄写までは認められていません。
   しかし,被害者参加人から委託を受けた弁護士が検察官請求証拠の謄写を求めた場合,謄写を求める理由や対象となる証拠の内容等に鑑みて,謄写の必要性が認められ,かつ,謄写に伴う弊害が認められないときであれば,被告人の身上調書,戸籍謄本,前科調書等を除く検察官請求証拠の謄写まで認められています。
(3)ア 「犯罪被害者等の権利利益の尊重について」(平成26年10月21日付の最高検察庁次長検事通達)4項には,以下の記載があります。
   対象被害者等から、検察官が証拠調べ請求をすることとしている証拠の開示を求められたときは、事案の内容、捜査·公判に支障を及ぼすおそれや関係者の名誉·プライバシーを害するおそれの有無·程度等を考慮して相当でないと認める場合を除き、当該証拠の閲覧を認めるなど、弾力的な運用に努められたい。なお、対象被害者等に証拠を開示するに当たっては、これにより知り得た事項をみだりに使用することのないよう注意を喚起するなど、適切な情報管理に配意されたい。
イ 「「犯罪被害者等の権利利益の尊重について(依命通達)」の発出について」(平成26年10月21日付の最高検察庁総務部長及び公判部長の通達)第3・3項(2)イには,以下の記載があります。

   被害者参加人が適切かつ効果的に訴訟行為を行うためには,あらかじめ,証拠関係を十分把握する必要があるし,被害者等が被害者参加の申出をするか否かを判断するに当たっても,証拠関係を十分に把握することが必要な場合もあると考えられる。そして,検察官手持ち証拠のうち,検察官が当該被告事件について証拠調べ請求をすることとしている証拠(以下「検察官請求証拠」という。)については,検察官が当該被告事件の罪体及び情状の立証に必要であると判断した証拠であるので,上記いずれの観点からも一般に開示の必要性が高いと考えられる一方,検察官証拠請求は,検察官が後に公判廷で明らかにすることを予定している証拠であるので,一般に開示による弊害も少ないと考えられる。そこで,本依命通達3の(2)後段は,対象被害者等から,検察官請求証拠の開示を求められたときは,原則としてその閲覧を認めるなど,弾力的な運用に努めることを求めるものである。

   同後段は,対象被害者等から証拠の開示を求められた場合に,検察官請求証拠については原則としてその閲覧を認めることとする点にその趣旨があるのであって,それ以外の検察官手持ち証拠の開示を一律に禁止する趣旨ではない。したがって,例えば,刑事訴訟法第316条の15第1項又は第31 6条の20第1項の規定により検察官が被告人又は弁護人に開示した証拠についても,開示の必要性及び開示に伴う弊害の有無·程度を考慮して相当と認められるときは,これを開示することとしても差し支えない。

   また,同後段は,閲覧の方法により開示することを原則としている。これは,証拠の謄写まで認めることとすると,種々の弊害が生じるおそれが大きくなることを考慮してのことである。したがって,同後段は,証拠の謄写を一律に禁止するものではなく,例えば,被害者参加人から委託を受けた弁護士から証拠の謄写を求められた場合において,謄写を求める理由や対象となる証拠の内容等に鑑みて,謄写の必要性が認められ,かつ,謄写に伴う弊害が認められないときは,証拠の謄写を認めて差し支えない。


2 第1回公判期日後の,犯罪被害者保護法3条に基づく刑事記録の閲覧・謄写等
(1)
犯罪被害者保護法3条に基づく刑事記録の閲覧・謄写
ア 犯罪被害者保護法3条に基づく刑事記録の閲覧・謄写は,被害者参加人に限らず,被害者一般に認められています。
イ 加害者について刑事裁判が係属している場合,第1回の公判期日後,刑事事件の判決が確定するまでの間において,裁判所は,刑事裁判の被害者等から公判記録の閲覧又は謄写の申出があるときは,①閲覧又は謄写を求める理由が正当でないと認める場合及び②犯罪の性質,審理の状況その他の事情を考慮して閲覧又は謄写をさせることが相当でないと認める場合を除き,閲覧又は謄写をさせるものとすることとされています(犯罪被害者保護法3条1項)。
   つまり,被害者は,被害者参加の申し出をしていない場合であっても,第1回公判期日以降であれば,原則として,加害者の刑事裁判を担当している裁判所の刑事部で刑事記録の閲覧・謄写ができるということです。
ウ(ア) 裁判所は,刑事記録の謄写をさせる場合において,謄写した刑事記録の使用目的を制限し,その他適当と認める条件を付することができます(犯罪被害者保護法3条2項)。
   また,刑事記録を閲覧し又は謄写した者は,閲覧又は謄写により知り得た事項を用いるに当たり,不当に関係人の名誉若しくは生活の平穏を害し,又は捜査若しくは公判に支障を生じさせることのないよう注意しなければなりません(犯罪被害者保護法3条3項)。
   そのため,実務上は誓約書の提出を条件に刑事記録のコピーを認めてもらいます。
(イ) 犯罪被害者保護法3条に基づく閲覧・謄写の場合であっても,被告人の身上調書,戸籍謄本,前科調書等は通常,対象外となります。
(ウ) 犯罪被害者保護法3条に基づく閲覧・謄写の場合,刑事裁判に提出された記録だけが対象となります。
   そして,弁護人が「不同意」にした部分については,該当部分が黒塗りにされた状態で裁判所の記録となっていますから,そもそも閲覧すらできません。
エ 略式命令事件の場合,公判期日が存在しない点で犯罪被害者保護法3条の適用はないと解されていますから,被告事件の終結前に刑事記録を閲覧又は謄写をすることはできません。
オ 平成19年6月27日法律第95号(平成19年12月26日施行)による改正前は,当該被害者等の損害賠償請求権の行使のために必要があると認める場合その他正当な理由がある場合で,かつ,犯罪の性質,審理の状況その他の事情を考慮して相当と認めるときに限り,閲覧又は謄写が認められていました。
(2)   最高検察庁の通達に基づく公訴事実記載書面及び冒頭陳述の取り寄せ
ア 被害者が,被告人となっている加害者の刑事裁判を担当している検察官に依頼した場合,起訴状記載の公訴事実等の内容を記載した書面,及び冒頭陳述の内容を記載した書面を交付してもらえます。
イ 「「犯罪被害者等の権利利益の尊重について(依命通達)」の発出について」(平成26年10月21日付の最高検察庁総務部長及び公判部長の通達)第3・3項(1)には以下の記載があります。

   被害者等が, 自己を被害者等とする事件の真相を知りたいと思うのは当然のことであり,刑事司法が「事件の当事者」である生身の被害者等の権利利益の回復に重要な意義を有するものである以上,真相解明の途上である捜査段階においては十分な説明は困難であっても,事件を公判請求した場合には,当該事件の被害者等の要望に応じて,事件の内容,捜査·公判に支障を及ぼすおそれや関係者の名誉·プライバシーを害するおそれの有無·程度等を考慮しつつ, 公判における検察官の主張·立証の内容を分かりやすく説明するのが相当である。

   このような説明に関連して,被害者等の要望があれば,起訴状記載の公訴事実等の内容を記載した書面や,冒頭陳述に際してあらかじめ書面を作成して裁判所に提出した場合においては,当該冒頭陳述の内容を記載した書面を交付するのが相当である。ただし,これらの書面を交付するに際しては,関係者のプライバシー保護に適切に配意する必要があり、例えば,公判廷で明らかにされない関係者の氏名を伏せた書面を交付すること,第三者へこれらの書面が不当に流出することがないように被害者等に注意喚起することなどの配慮が求められる。

3 裁判所HPでの説明
   裁判所HPの「裁判手続 刑事事件Q&A」には以下の記載があります。
Q.訴訟記録の閲覧及び謄写とはどのようなものですか。
A.刑事事件においては,裁判が進行中の事件では,その訴訟記録を一般の人が閲覧したり謄写したりすることはできません。しかし,刑事事件の被害者等については原則として,訴訟記録を閲覧したり,謄写したりすることができます。また,閲覧謄写をしようとする事件の被告人等により行われた,その事件と同種の犯罪行為の被害者の方(同種余罪の被害者)は,損害賠償を請求するために必要があると認められる場合には,訴訟記録を閲覧したり,謄写したりすることができます。

第3の2 刑事裁判係属中の,起訴事件の刑事記録の入手方法(加害者である被告人側)

1 弁護人は,第1回の公判期日前に,検察官が取調べを請求する予定の証拠書類及び証拠物を閲覧する機会を与えられます(刑訴法299条,刑訴規則178条の6第1項1号参照)。
   そのため,加害者は,依頼している弁護人に依頼すれば,起訴事件の刑事記録を入手できます。

2(1) 平成17年11月1日施行の刑訴法に基づき,被告人又は被告人であった者が,検察官において被告事件の審理の準備のために閲覧又は謄写の機会を与えた証拠(=開示証拠)に係る複製等を,刑事裁判以外の目的で,人に交付し,又は提示し,若しくはインターネットに載せることは禁止されています(刑訴法281条の4)。
   被告人又は被告人であった者がこれに違反した場合,1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます(刑訴法281条の5第1項)。 
(2) 東京地裁は,平成26年3月2日,法廷で警備職員にかみついた公務執行妨害事件の証拠を動画投稿サイト「ユーチューブ」に掲載した男性に対し,開示証拠の目的外使用の罪により,懲役6月,執行猶予2年の有罪判決を言い渡しました(外部ブログの「やったな!証拠の目的外使用で逮捕・有罪!」参照)。

3(1) 弁護士は,開示証拠の複製等を被告人に交付等するときは,被告人に対し,複製等に含まれる秘密及びプライバシーに関する情報の取扱いに配慮するように注意を与えなければなりません開示証拠の複製等の交付等に関する規程(平成18年3月3日会規第74号)(平成18年4月1日施行)3条1項)。
   また,弁護士は,開示証拠の複製等を交付等するに当たり,被告人に対し,開示証拠の複製等を審理準備等の目的以外の目的でする交付等の禁止及びその罰則について規定する刑訴法281条の4第1項及び281条の5第1項の規定の内容を説明しなければなりません(開示証拠の複製等の交付等に関する規程3条2項)。
(2) 弁護士が被告人に刑事記録を交付する場合,事件の検討に直接関係しない犯罪被害者等の個人情報はマスキングすることがあります(東弁リブラ2014年8月号「開示記録を差し入れる際の注意点」参照)。 

4(1) 証人等の安全が害されるおそれがある場合,弁護人は,被告人を含む関係者に対し,証人等の安全について配慮を求めることができます(刑訴法299条の2)。
(2) 被害者特定事項が明らかにされることにより,被害者等の安全が著しく害されるおそれがある場合において,検察官から配慮を求められたときは,弁護人は,被告人その他の者に被害者特定事項を知られないように配慮しなければなりません(刑訴法299条の3)。

5(1) 民事事件等で起訴事件の刑事記録を利用したい場合,検察官請求証拠又は弁号証として取り調べられた書証を刑事事件が係属している裁判所で謄写すればいいと思います。
(2)  平成18年3月3日の日弁連臨時総会の議事概要には,以下の記載があります。
   石崎和彦会員(第二東京)より、例えば、松川事件の広津和郎氏の場合のように、裁判所において取り調べ済みの捜査記録を報道機関などに資料として提示するなど、社会に向かって不当性を訴えていくことは、第4条に該当するか、また、第4条にただし書として、違法性がない旨を入れて頂きたいとの質問がなされた。これに対し、星副会長から、十分に理解のできることであるが、例えば、強姦事件の被害者の調書、有名人のプライバシーを記載した調書、企業秘密に属することが記載された調書などのように、公開の法廷において調べられた記録であれば、目的を問わず、どんな使用をしても懲戒の対象にはならない旨明文で言い切ってしまうことは賛成し難いが、被告人の防御のため、法廷で取り調べ済みのもの、現実に第三者の秘密、プライバシー、名誉が侵害されたのでなければ、多くの場合違法性が阻却されるであろうことは、刑訴法第281条の4第2項で考慮すべき事項として盛られていて、無罪を勝ち取るために闘っている弁護人が懲戒の対象になることは、例外的なケースであると思われ、ただ、自主判断事項なので、弁護士自治により我々が懲戒手続の中で判断することになるとの答弁がなされた。 

第4 加害者の刑事裁判の判決が確定した後の,起訴事件の刑事記録の入手方法

1 刑事記録の入手方法
(1)ア 被害者代理人である弁護士が大阪地検で起訴事件の刑事記録を入手する場合,①交通事故証明書に記載されている警察署に対し,弁護士会照会(弁護士法23条の2に基づく照会)を利用して送致日,送致番号,罪名,送致検察庁及び検番(=検察庁の事件受付番号)を調査した上で,②検察庁に対し,刑事事件の処分状況を,検番等を記載した「保管記録の調査依頼書」と題する手紙(添付書類は,交通事故証明書及び民事事件の委任状のコピー並びに82円切手を貼付した返信用封筒となります。)で問い合わせをして回答書を送ってもらい,③罰金等の有罪判決が確定した後に保管記録の閲覧・謄写申請をすればいいです。
  なお,被害者本人が①本人確認書類(例えば,運転免許証)及び②交通事故証明書を持参して交通事故証明書に書いてある警察署を訪問すれば,弁護士会照会を利用しなくても検番等を教えてもらえます。
イ 加害者代理人である弁護士が大阪地検で起訴事件の刑事記録を取り寄せる場合,検察庁に対して同じように処分結果の問い合わせをして回答書を送ってもらい(刑事訴訟法259条),起訴事件の刑事記録の閲覧・謄写申請をすればいいです。
(2) 被害者代理人であると加害者代理人であるとを問わず,代理人弁護士が大阪地検で確定した起訴事件の刑事記録の閲覧・謄写申請をする場合,以下の書類を検察庁の窓口に持参して提出する必要があります(大阪地検本庁の場合,窓口は8階にあり,事前の予約は不要です。)。
① 保管記録閲覧請求書(検察庁指定の書式によるもの)
→ 150円の収入印紙が必要となります刑事確定訴訟記録法7条・刑事確定訴訟記録閲覧手数料令)。
② 謄写申出書(検察庁指定の書式によるもの)
③ 民事事件の委任状のコピー
④ 交通事故証明書のコピー
⑤ 回答書のコピー
→ 検番に基づき刑事事件の処分状況を問い合わせた際に返ってくる文書です。
⑥ 閲覧・謄写に関する申出書
→ 謄写業者としてOPO謄写センターと西村謄写館のどちらかを選択します。
   また,写真等についてカラーコピーを希望する場合,その旨を記載する必要があります。
⑦ 弁護士会発行の身分証明書
(3) 裁判所は,被告事件の終結後,速やかに訴訟記録を第一審裁判所に対応する検察庁の検察官に送付する必要があります(刑事訴訟規則304条1項)。
   なお,被告事件が上訴審において終結した場合,当該被告事件の係属した下級の裁判所を経由して,訴訟記録が送付されます(刑事訴訟規則304条2項)。 


2 刑事記録の閲覧ができない場合
(1) 刑事記録の閲覧は,刑事訴訟法53条及び刑事確定訴訟記録法4条に基づき,法律上認められた権利であります。
  ただし,憲法上の権利ではありません(最高裁平成2年2月16日決定参照)。
(2) 以下の場合,訴訟関係人(例えば,被告人)又は閲覧につき正当な理由があると認められる者から閲覧の請求があった場合を除き,閲覧できません(刑事確定訴訟記録法4条2項各号)。
① 保管記録が弁論の公開を禁止した事件のものであるとき。
② 保管記録に係る被告事件が終結した後3年を経過したとき。
③ 保管記録を閲覧させることが公の秩序又は善良の風俗を害することとなるおそれがあると認められるとき。
④ 保管記録を閲覧させることが犯人の改善及び更生を著しく妨げることとなるおそれがあると認められるとき。
⑤ 保管記録を閲覧させることが関係人の名誉又は生活の平穏を著しく害することとなるおそれがあると認められるとき。
⑥ 保管記録を閲覧させることが裁判員,補充裁判員,選任予定裁判員又は裁判員候補者の個人を特定させることとなるおそれがあると認められるとき。
(3) 保管検察官は,保管記録について閲覧の請求があった場合において,請求に係る保管記録を閲覧させないときは,その旨及びその理由を書面により請求をした者に通知します(刑事確定訴訟記録法施行規則8条3項)。
  そして,保管検察官の閲覧に関する処分について不服がある場合,準抗告により,その保管検察官が所属する検察庁の対応する裁判所(例えば,保管検察官が大阪地検に所属していた場合,大阪地裁)にその処分の取消し又は変更を請求することができます(刑事確定訴訟記録法8条・刑事訴訟法430条1項)。

3 刑事記録の閲覧・謄写に関する判例
(1) 刑事記録の謄写(=コピーの取り寄せ)は,記録事務規程17条に基づき,保管検察官の裁量により認められているに過ぎないのであって,保管検察官のした保管記録謄写不許可処分に対し,準抗告で争うことはできません(最高裁平成14年6月4日決定)。
(2) 刑事確定訴訟記録法6条の規定に照らし,関係人の名誉又は生活の平穏を害する行為をする目的でされた刑事記録の閲覧請求は,権利の濫用として許されません(最高裁平成20年6月24日決定)。
  そのため,実務上,検察庁からは,被告人の身上・前科関係の記録についてはそもそも閲覧・謄写の請求をしないように要請されます。
(3) 刑事記録を閲覧した場合,閲覧により知り得た事項をみだりに用いて,公の秩序若しくは善良の風俗を害し,犯人の改善及び更生を妨げ,又は関係人の名誉若しくは生活の平穏を害する行為をしてはなりません(刑事確定訴訟記録法6条)。
(4) 再審請求人により選任された弁護人が,再審請求のための記録確認を目的として,当該再審請求がされた刑事被告事件に係る保管記録の閲覧を請求した場合には,同弁護人は,刑事確定訴訟記録法4条2項ただし書にいう「閲覧につき正当な理由があると認められる者」に該当します。
  そのため,保管検察官は,同項5号の事由の有無にかかわらず,保管記録を閲覧させる必要があります(最高裁平成21年9月29日決定)。
(5)  刑事確定訴訟記録法に基づく判決書の閲覧請求について,「プライバシー部分を除く」とする限定の趣旨を申立人に確認することなく,閲覧の範囲を検討しないまま,民事裁判においてその内容が明らかにされるおそれがあるというだけの理由で同法4条2項4号及び5号の閲覧制限事由に該当するとして判決書全部の閲覧を不許可とした保管検察官の処分には,同条項の解釈適用を誤った違法があります(最高裁平成24年6月28日決定)。

第5の1 不起訴事件記録(例えば,実況見分調書及び物件事故報告書)の入手方法

1 不起訴事件記録(例えば,実況見分調書)の入手方法等
(1)ア 被害者代理人である弁護士が大阪地検で不起訴事件記録を取り寄せる場合,①交通事故証明書に記載されている警察署に対し,弁護士会照会を利用して,送致日,送致番号,罪名,送致検察庁及び検番(=検察庁の事件受付番号)を調査した上で,②検察庁に対し,刑事事件の処分状況を,検番等を記載した「保管記録の調査依頼書」と題する手紙(添付書類は,交通事故証明書及び民事事件の委任状のコピー並びに82円切手を貼付した返信用封筒となります。)で問い合わせをして回答書を送ってもらい,③不起訴となった後に不起訴事件記録の閲覧・謄写申請をすればいいです。
   なお,被害者本人が①本人確認書類(例えば,運転免許証)及び②交通事故証明書を持参して交通事故証明書に書いてある警察署を訪問すれば,弁護士会照会を利用しなくても検番等を教えてもらえます。
イ(ア) 加害者代理人である弁護士が大阪地検で不起訴事件記録を取り寄せる場合,検察庁に対して同じように処分結果の問い合わせをして回答書を送ってもらい(刑事訴訟法259条),不起訴事件記録の閲覧・謄写申請をすればいいです。
   ただし,後述するとおり,閲覧謄写申請に際しては弁護士会照会を利用する必要があります。
(イ) 加害者又はその代理人弁護士が検察庁に問い合わせをした場合,不起訴裁定の主文(例えば,「嫌疑なし」,「嫌疑不十分」,「起訴猶予」)を回答してもらうことはできません。
(2)ア 被害者代理人である弁護士が大阪地検で不起訴事件記録の閲覧・謄写申請をする場合,以下の書類を検察庁の窓口で提出する必要があります(大阪地検本庁の場合,窓口は8階にあり,事前の予約は不要です。)。
① 不起訴記録閲覧申請書(検察庁指定の書式によるもの)
② 謄写申請書(検察庁指定の書式によるもの)
③ 民事事件の委任状のコピー
④ 交通事故証明書のコピー
⑤ 大阪地検からの回答書のコピー
→ 検番に基づき刑事事件の処分状況を問い合わせた際に返ってくる文書です。
⑥ 閲覧・謄写に関する申出書(検察庁指定の書式によるもの)
→ 謄写業者としてOPO謄写センターと西村謄写館のどちらかを選択します。
   また,写真等についてカラーコピーを希望する場合,その旨を記載する必要があります。⑦ 弁護士会発行の身分証明書
イ 加害者代理人である弁護士が大阪地検で不起訴記録の閲覧・謄写申請をする場合,弁護士会照会を使用する必要があります。
(3)ア 被害者代理人である弁護士が神戸地検本庁で不起訴事件記録の閲覧・謄写申請をする場合,以下の書類を兵庫県弁護士協同組合謄写部(〒650-0016 神戸市中央区橘通1-4-3。電話:078-371-0548)に郵送すればいいです。
① 兵庫県弁護士協同組合宛の謄写委任状
② 民事事件の委任状のコピー
③ 交通事故証明書のコピー
④ 弁護士会照会に対する兵庫県警察署長の回答書のコピー
⑤ 神戸地検からの回答書のコピー
→ 検番に基づき刑事事件の処分状況を問い合わせた際に返ってくる文書です。
イ 兵庫県弁護士協同組合謄写部は,実際のコピー作業は神戸地裁1階の謄写館室で行っていますものの,住所は兵庫県弁護士会と同じです。

(4) 不起訴事件記録の入手方法自体は,起訴事件の刑事記録を入手する場合とほとんど同じであって,異なる点としては,①検察庁に提出する書類の書式が異なること,及び②150円の収入印紙が不要になることぐらいです。

   警察提出の診断書に書いてある加療期間が3週間以下の人身事故の場合,検番に基づく問い合わせをした後,検察庁から刑事事件の処分状況を知らされた時点で,加害者について罰金等の有罪判決を受けたか,又は不起訴となったのかが分かることが多いです(交通事故の刑事記録参照)。
(5) 不起訴事件記録としてほぼ常に存在する実況見分調書は,事故直後に警察が当事者双方の言い分を聞いて作成することから,事故態様を判断する上で最有力の証拠となります。
(6) 実況見分調書のうち,写真が添付されている部分については,カラー印刷のコピーを取り寄せるべきです。
(7) 刑事記録の謄写(=コピーの取り寄せ)は,記録事務規程17条に基づき,保管検察官の裁量により認められているに過ぎません。
(8) 加害者の不起訴処分を争う方法については,「加害者の不起訴処分を争う検察審査会」を参照して下さい。

2 不起訴事件記録の開示範囲の拡大
(1)ア 刑事訴訟に関する書類は,公判の開廷前(=通常,第1回の公判期日前)は,原則として非公開とされています(刑事訴訟法47条本文)。
  そのため,かつては,不起訴事件記録(=①不起訴処分となった後の不起訴記録及び②公訴提起後第1回公判期日前の記録並びに③公判不提出記録)の閲覧・謄写は原則として認められていませんでした。
イ 刑事訴訟法47条本文が「訴訟に関する書類」を公にすることを原則として禁止しているのは,それが公にされることにより,被告人,被疑者及び関係者の名誉,プライバシーが侵害されたり,公序良俗が害されることになったり,又は捜査,刑事裁判が不当な影響を受けたりするなどの弊害が発生するのを防止することを目的としています(最高裁平成16年5月25日決定)。
(2)ア 以下の通達により,不起訴事件記録の開示の範囲は拡大していきました。
① 被害者等に対する不起訴事件記録の開示について(平成12年2月4日付法務省刑事局長通知(法務省刑総第128号))
② 民事裁判所からの不起訴事件記録の文書送付嘱託等について(平成16年5月31日付け法務省刑事局長通知(法務省刑総第627号))
→ 公判不提出記録に対する文書提出命令に関する最高裁平成16年5月25日決定を受けたものです。
③  「被害者等に対する不起訴事件記録の開示について」(平成20年11月19日付の法務省刑総第1595号)
→ ③の通知により,平成20年12月1日以降,被害者参加対象事件である交通事故の被害者は,「事件の内容を知ること」等を目的とするときであっても,実況見分調書や写真撮影報告書等の客観的証拠について閲覧・謄写することができるようになりました(法務省HPの「不起訴事件記録の開示について」参照)。
イ ③の通知が出される前は,不起訴記録について閲覧等が認められるのは,「民事訴訟等において被害回復のための損害賠償請求権その他の権利を行使する目的」である場合に限られていました。
(3) 刑訴法47条ただし書の規定によって「訴訟に関する書類」を公にすることを相当と認めることができるか否かの判断は,当該「訴訟に関する書類」が原則として公開禁止とされていることを前提として,これを公にする目的,必要性の有無,程度,公にすることによる被告人,被疑者及び関係者の名誉,プライバシーの侵害,捜査や公判に及ぼす不当な影響等の弊害発生のおそれの有無等の諸般の事情を総合的に考慮してされるべきものであり,当該「訴訟に関する書類」を保管する者(検察庁の保管検察官のことです。)の合理的な裁量にゆだねられています(最高裁平成19年12月12日決定)。

3 物件事故報告書の入手方法
(1) 物損事故の場合,実況見分調書ではなく,より簡略な物件事故報告書だけが作成されている場合があります。
(2) 物件事故報告書を取得するためには,交通事故証明書に記載されている担当の警察署に対する弁護士会照会を利用する必要があります。
  この場合,「申出の理由」として,「申出弁護士は,別紙交通事故証明書記載の交通事故(以下「本件交通事故」といいます。)について,依頼者より損害賠償請求事件の依頼を受けており,事故態様を明らかにするため,本照会に及んだ次第です。」と記載します。
  また,「照会事項」として,「本件交通事故に関し,事故発生現場の形状,衝突地点,衝突時及び衝突前後の双方の車両の位置関係並びに双方の車両の衝突箇所及び損傷箇所をご回答ください。回答に代えて,本件交通事故の現場状況図の写し及び物件事故報告書の写しをご送付いただければ幸いです。」と記載します。 

第5の2 被害者参加対象事件(例えば,人身の交通事故)において閲覧又は謄写の対象となる不起訴事件記録

「被害者等に対する不起訴事件記録の開示について」(平成20年11月19日付の法務省刑事局長依命通達)によれば,被害者参加対象事件(例えば,人身の交通事故)において,閲覧又は謄写の対象となる不起訴事件記録は,以下のとおりです(意味の同一性を失わない限度で,閲覧・謄写を請求する側の表現に変えています。)。
○通達原文では,供述調書等につき,代替性がない場合,例外的に閲覧が認められ,供述者が死亡する「など」代替性がない場合,例外的に謄写が認められると書いてあります。
   そのため,例えば,供述者は生存しているが,その連絡先が不明である場合,供述調書の閲覧は認められるが,供述調書の謄写は認められないのかもしれません。

1 客観的証拠の閲覧
   被害者参加対象事件の被害者等については,「事件の内容を知ること」等を目的とする場合であっても閲覧が可能ですから,原則として,代替性の有無にかかわらず,相当でないと認められる場合を除き,閲覧が認められます。
  具体的な証拠の取扱いについては,以下のとおりです。
(1) 実況見分調書,検証調書及びこれらに関する写真撮影報告書等については,原則として,閲覧が認められます。
   ただし,立会人の特定に関する記載や立会人が写っている写真等は,立会人のプライバシーにかかわるものであり,これが公になることにより第三者の協力が得られないこととなるおそれがあることなどから,マスキング等の措置がなされることがあります。
  その他,例えば,犯罪に関する痕跡のない部屋の見取図や写真についても,関係者のプライバシーという観点から,マスキング等の措置がなされることがあります。
  また,立会人の指示説明部分については,供述調書に準ずるものとして取り扱われますし,犯行状況の再現等のために行われた実況見分や検証の調書等についても同様です。
(2) 死者の検視調書,死亡診断書,死体検案書,死体の鑑定書及びこれらに関する写真撮影報告書等については,当該死者の遺族又はその代理人たる弁護士からの請求である場合,原則として,閲覧が認められます。
   この場合,死体の写真については,死者の名誉やプライバシーを侵害するおそれが高いことから,原則として,マスキングの措置が講じられますが,遺族及びその代理人たる弁護士からの強い要望があり,他に特段の弊害があるとは認められない場合,閲覧が認められることがあります。
  その場合,事前に遺族等に対し,死体の写真が衝撃的でショックを受けるおそれがあることなどを十分説明し,状況に応じて再考を促すなど,十分な意思確認が行われます。
(3) 身体の鑑定書,身体検査調書,診断書及びこれらに関する写真撮影報告書等については,鑑定等の対象となった被害者本人若しくはその親族又はその代理人たる弁護士からの請求である場合,原則として閲覧が認められます。
(4) 精神鑑定書等については,鑑定の対象者のプライバシー性がきわめて高いことから,原則として,閲覧が認められません。
  ただし,開示に伴う弊害がなく,かつ,開示を必要とする特段の事情があると認められる場合に限り,閲覧が認められます。例えば,鑑定の対象者等又はその代理人たる弁護士の有効な同意があるような場合には,鑑定人に及ぶ影響や弊害等も踏まえ,閲覧が認められることがあります。
(5) 信号機サイクル表については,原則として閲覧が認められます。
(6) 証拠物の写真撮影報告書,鑑定書等については,証拠物の性状等の客観的な事実を示すものですから,原則として,閲覧が認められます。
(7) 関係者の飲酒の有無・アルコール濃度に関する飲酒検知管,鑑定書等については,対象者が生存していても,原則として,閲覧に応じ,又はその結果の照会に対して回答してもらえます。
(8) その他の交通事故鑑定,速度違反,出火原因鑑定等の鑑定書については,原則として,閲覧が認められます。

2 供述調書等の閲覧
   供述調書等については,関係者の名誉・プライバシー,今後の捜査一般の円滑な遂行を害するおそれが高いため,原則として閲覧が認められていません。
  ただし,閲覧請求に係る供述調書等が代替性のないものであるときは,相当でないと認められる場合を除き,例外的に閲覧が認められることがあります。
  このように,供述調書については,原則として閲覧が認められませんが,被害者等の要望に応じて,不起訴処分をする際に,検察官において,処分理由の説明の一環として,必要と認められるときは供述内容を口頭で説明するなどの配慮が行われることがあります。

3 謄写できる部分
(1)   謄写については,当該事件が被害者参加対象事件であるか否かにかかわらず,民事訴訟等において被害回復のため損害賠償請求権その他の権利を行使する場合に限り,必要性及び相当性が認められる部分について認められることになっていますところ,通常は閲覧できる範囲と謄写できる範囲は同じです。
(2)   供述調書等については,供述人が死亡するなど代替性がないと認められる場合を除き,謄写が認められません。

第6 民事裁判所から不起訴事件記録の文書送付嘱託等がなされた場合の取扱い

○以下の記載は,「被害者等に対する不起訴事件記録の開示について」(平成20年11月19日付の法務省刑事局長依命通達)の該当部分を丸写ししたものです。
○①損害保険料率算出機構,②財団法人交通事故紛争処理センター,③全国共済農業協同組合連合会及び④財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構からの照会については,民事裁判所からなされた不起訴事件記録の文書送付嘱託に関して客観的証拠の送付に応じる場合と同様に取り扱われます。
○目撃者の特定のための情報提供については,裁判所からの調査嘱託が想定されています。
○通達の要旨は,法務省HPの「不起訴事件記録の開示について」に載ってあります。

1 不起訴事件記録中の客観的証拠の開示 
   被害者等が被害回復のため提起した民事訴訟が係属している裁判所からの文書送付嘱託に対しても,前記第1,2,(4),アにいう必要性が認められる場合,客観的証拠の送付に応じるのが相当である。
   この場合の文書送付嘱託は,被告(被疑者)の申立てによって行われる場合もあるが,民事訴訟において真実を明らかにすることは,被害者等の権利関係の適正な認定に資するものであるから,被害者等である原告の申立てによる場合に準じて取り扱うのが相当である。ただし,民事訴訟記録は,刑事事件記録に比べ,より広く一般人の閲覧が可能である(民事訴訟法第91条及び第9 2条)ので,原告のプライバシー等にかかわる証拠について,原告の同意等を嘱託に応じる条件とすることやその必要性・当事者間の公平性を十分に吟味することも考慮すべきである。
   なお,被害者等であると主張している者が,真の被害者等であるか否か慎重に見極める必要があることや,嫌疑なし又は嫌疑不十分等で不起訴とされた事案であっても,民事的な観点から被害者等の救済が図られるべき場合もあり得ることは,前記第1, 2, (1)と同様である。

2 不起訴事件記録中の供述調書の開示 
   不起訴事件記録中の供述調書について,民事裁判所から文書送付嘱託がなされた場合,開示による弊害を回避しつつも,犯罪被害者等の保護を図るとともに民事訴訟が適切に行われるようにするため,次に掲げる要件をすべて満たす場合には,これを開示するのが相当である。
(1)   民事裁判所から,不起訴事件記録中の特定の者の供述調書について文書送付嘱託がなされた場合であること。
   供述調書の開示については,一般に捜査・公判への支障又は関係者の名誉・プライバシーを侵害するおそれがあると認められることから,特にその開示の必要性が高い場合である必要があり,民事裁判所からの文書送付嘱託がなされた場合とすべきである。
(2)   当該供述調書の内容が,当該民事訴訟の結論を直接左右する重要な争点に関するものであって,かつ,その争点に関するほぼ唯一の証拠であるなど,その証明に欠くことができない場合であること。
   供述調書を開示することが相当と考えられるのは,当該民事訴訟において当該供述調書が必要不可欠な場合であると思われる。そこで,開示すべき供述調書は,第1に,当該民事訴訟の結論を直接左右する重要な争点に関するものである必要がある。「民事訴訟の結論を直接左右する重要な争点」とは, 例えば,交差点における交通事故において,当事者双方が青色信号を主張している場合の交差点信号機の信号表示状況等のような場合が考えられる。これに対し,民事訴訟において取り調べられた証人の供述の信用性などは,要証事実に対する間接証拠であって,通常は,「重要な争点」には当たらないものと考えられる。第2に,開示すべき供述調書は,その争点に関するほぽ唯一の証拠であるなど,その証明に欠くことのできない場合である必要がある。その争点に関し,他に証拠があり,当該供述調書はこれを単に補強するにすぎないようなときは,これに該当しないと思われる。
(3)   供述者が死亡,所在不明,心身の故障若しくは深刻な記憶喪失等により, 民事訴訟においてその供述を顕出することができない場合であること,又は当該供述調書の内容が供述者の民事裁判所における証言内容と実質的に相反する場合であること。
   供述者が民事訴訟において供述することができる場合には,その供述者の供述調書に代替性が認められるので,これを開示する必要はない。しかし, 供述者が死亡,所在不明,心身の故障又は深刻な記憶喪失等により,民事訴訟において,証人尋問又は当事者尋問で供述できない場合には,その供述者の供述調書を利用する必要性が高い。また,いったん当該供述者を民事訴訟において供述させたものの,当該供述者については刑事事件の捜査において取調べを受け,そこで作成された供述調書には,民事訴訟における供述とは実質的に相反する供述をしている場合には,やはり,その供述調書を利用する必要性が高いと考えられる。そこで,これらの場合には,代替性を欠くものとして取り扱うことが適当と考えられる。
   なお,当該供述調書の内容が,「供述者の民事訴訟における証言内容と実質的に相反する場合」については,民事裁判所があらかじめ供述調書の内容を了知しているわけではないことを考えると,供述調書の内容と証言内容とが実質的に相反すると判断するについて相当の理由がある場合で足りると思われる。逆に,供述調書の内容と証言内容とが相反していれば開示されたい等の模索的な理由によるものは,前記相当の理由があることを明らかにしたとは言えないので,その点の検討が十分に行えるよう,民事裁判所に対し, 十分な情報の提供を要請することが必要である。
(4) 当該供述調書を開示することによって,捜査・公判への具体的な支障又は関係者の生命・身体の安全を侵害するおそれがなく,かつ,関係者の名誉・プライバシーを侵害するおそれがあるとは認められない場合であること。
   上記載(2)及び(3)に該当する特段の必要性が認められる場合であっても,開示による具体的な支障が生じるおそれがあると認められる場合には,開示は相当ではない。なお,供述調書を開示した場合には,今後の他事件における参考人の事情聴取一般に対するものという抽象的な意味では,支障が生じるおそれは常に認められるのであろうが,そうだとしても,捜査・公判への具体的な支障が認められない場合には,原則として,開示して差し支えないと考えられる。

3 供述調書の開示に関する留意事項について
(1) 開示の可否判断のための情報収集 
   検察官は,通常,前記2,(2)及び(3)の要件に関する情報を有していないことから,民事裁判所から文書送付嘱託がなされた場合において,上記各要件を判断するための具体的な情報が不十分であると認められるときは,民事裁判所に対し,文書送付嘱託に応じるか否かを判断するため,必要な情報の提供を求めることが望ましい。
(2) 開示した供述調書の取扱い 
   民事裁判所の文書送付嘱託に応じて供述調書を開示する場合には,民事訴訟の当事者においても慎重な取扱いが必要である旨を送付書に明記するなど注意喚起した上で送付する。
(3)   マスキング 
   供述調書を開示する場合であっても,一部の記載について,開示することにより関係者の名誉・プライバシーを侵害するおそれがあるなどの支障があるときは,当該部分にマスキングを行うなどの措置を講じる。
(4)   その他 
   捜査中の事件記録又は公判請求した事件の裁判所不提出記録中の供述証拠については,通常,刑事訴訟法第47条の規定により捜査・公判に対する具体的な支障があると考えられ,原則として開示しない扱いとする。
 
4 民事裁判所から目撃者の特定のための情報の提供を求められた場合
(1) 目撃者の特定のための情報の提供の必要性 
   不起訴事件に関して民事訴訟が提起されている場合において,例えば,交通事故の状況を直接目撃した者(以下「目撃者」という。)の証人尋間を実施することが不可欠であるにもかかわらず,民事裁判所及び訴訟当事者において目撃者の特定に関する情報がなく証人尋問を実施することが困難な場合に,裁判所から検察庁に対し,目撃者の特定のための情報の提供を求められる場合がある。
   このような場合において,不起訴事件記録中に,当該目撃者の特定に関する情報があり,かつ,民事裁判所から証人尋問のために必要であるとの理由で,調査の嘱託により照会がなされたときは,証人義務が広く一般に課せられており,民事訴訟における真実解明に資することを考慮すると,相当な範囲で調査の嘱託に協力する必要があると考えられる。
(2)そこで,次に掲げる要件をすべて満たす場合には,当該刑事事件の目撃者の特定に関する情報のうち,氏名及び連絡先を民事裁判所に回答するのが相当である。
ア 民事裁判所から,目撃者の特定のための情報について調査の嘱託がなされた場合であること。
イ 目撃者の証言が,当該民事訴訟の結論を直接左右する重要な争点に関するものであって,かつ,その争点に関するほぼ唯一の証拠であるなど,その証明に欠くことができない場合であること。
   「重要な争点」の意義については,前記第2, 2, (2)と同様である。
ウ 目撃者の特定のための情報が,民事裁判所及び当事者に知られていないこと。
   「民事裁判所及び当事者に知られていない」とは,民事訴訟の当事者において,目撃者の存在を把握しているが氏名が不明の場合,目撃者の氏名は判明しているが連絡先が不明の場合,又は目撃者が存在すると認めるに足りる相当の事情があるが,氏名等が不明の場合などがある。
エ 目撃者の特定のための情報を開示することによって,捜査・公判への具体的な支障又は目撃者の生命・身体の安全を侵害するおそれがなく,かつ, 関係者の名誉・プライバシーを侵害するおそれがないと認められる場合であること。
(3)   情報提供についての留意事項 
   検察官は,通常,前記(2),イ及びウの要件に関する情報を有していないことから,民事裁判所から調査の嘱託がなされた場合には,上記各要件を判断するための具体的な事情及びこれに該当する目撃者が存在すると認められる相当な理由が不十分であると認められるときは,民事裁判所に対し,調査の嘱託に応じるか否かを判断するための情報の提供を求めることが望ましい。
   なお,目撃者の連絡先とは,原則として,住所を回答すれば足りる。
(4)   目撃者の情報の取扱い 
   目撃者の連絡先等は,本人のプライバシーに属する情報であるので,裁判所に対して回答する場合は,民事訴訟の当事者においても慎重な取扱いが必要である旨を回答書に明記するなど注意喚起した上で送付する。

第7の1 交通事故事件の刑事確定記録の保管期間

1 刑事確定記録
(1)ア   刑事確定訴訟記録法(以下「法」といいます。)別表)及び刑事確定訴訟記録法施行規則(以下「規則」といいます。)によれば,交通事故事件の刑事確定記録の保管期間は以下のとおりです。
   人身事故は通常,過失運転致傷罪(自動車死傷行為処罰法5条)に該当しますから,有期の懲役刑の場合,判決書の保管期間は50年,事件記録の保管期間は5年であり,罰金刑の場合,判決書の保管期間は20年,事件記録の保管期間は3年です。
イ 刑事確定記録の中身については,「刑事訴訟記録の編成」を参照して下さい。
(2) 判決書の保存期間

ア 危険運転致死傷罪,アルコール等影響発覚免脱罪,過失運転致死傷罪等により有期の懲役刑に処せられた場合,50年(法別表一項2)
イ 過失運転致傷罪等により罰金刑に処せられた場合 20年(法別表一項3)
ウ 道路交通法違反又は自動車保管場所法違反により罰金刑に処せられた場合のうち,正式裁判を経た場合 20年(法別表一項3)
エ 道路交通法違反又は自動車保管場所法違反により罰金刑に処せられた場合のうち,略式裁判で終わった場合 10年(規則1条)
(3) 判決書以外の保管記録(いわゆる「事件記録」です。)の保管期間
ア 危険運転致死罪等により20年を超える有期懲役刑に処せられた場合,30年(法別表二項1(二))
イ 危険運転致傷罪,アルコール等影響発覚免脱罪等により10年以上20年以下の懲役刑に処せられた場合,20年(法別表二項1(三))
ウ 過失運転致死罪等により5年以上10年未満の懲役刑に処せられた場合,10年(法別表二項1(四))
エ 過失運転致傷罪等により5年未満の懲役刑に処せられた場合,5年(法別表二項1(六))
オ 過失運転致傷罪等により罰金に処せられた場合,3年(法別表二項1(七))
カ 道路交通法違反又は自動車保管場所法違反により罰金刑に処せられた場合のうち,正式裁判を経た場合,3年(法別表二項1(七))

キ 道路交通法違反又は自動車保管場所法違反により罰金刑に処せられた場合のうち,略式裁判で終わった場合,1年(規則3条)

2 刑事参考記録
(1) 地方検察庁の検事正は,刑事記録(法文上は「保管記録又は再審保存記録」)について,刑事法制及びその運用並びに犯罪に関する調査研究の重要な参考資料であると思料するときは,その保管期間又は保存期間の満了後,これを刑事参考記録として保存します(刑事確定訴訟記録法9条1項・同施行規則15条)。
(2) 地方検察庁の検事正は,以下の場合,申出により,刑事参考記録を閲覧させることができます(法9条2項・規則14条各号及び16条)。
① 学術研究のため必要があると認める場合
② 民事上又は行政上の争訟に関して刑事参考記録を閲覧する必要があると認める場合
③ 刑事上の手続に関して刑事参考記録を閲覧する必要があると認める場合
④ その他特に刑事参考記録を閲覧する必要があると認める場合
(3) ちなみに,昭和11年の2・26事件に係る訴訟の記録のうち,①死刑又は無期の禁錮に係る裁判書は,刑事確定訴訟記録法2条2項の保管記録として保管し,②その余の訴訟の記録は,同法9条1項の刑事参考記録として保存されています(平成24年2月10日付の内閣答弁書)。

3 大阪地検の記録事務
    「記録事務取扱要領について」(平成25年3月27日付の大阪地検検事正通達)のとおりです。

第7の2 交通事故事件の不起訴記録の保管期間

○平成25年4月1日施行の,記録事務規程(平成25年3月19日法務省刑総訓第6号)25条によれば,以下のとおりです。
○人身事故は通常,7年以下の懲役等又は100万円以下の罰金に処せられる過失運転致傷罪(自動車死傷行為処罰法5条)に該当しますから,その不起訴記録(例えば,実況見分調書)の保管期間は通常,5年です。
    これは,公訴時効の期間(刑事訴訟法250条2項5号)と同じです。

 
1 嫌疑不十分又は起訴猶予により不起訴となった場合
(1) 人を死亡させた罪であって禁錮以上の刑に当たるもの(死刑に当たるものを除く。)について
ア 無期の懲役又は禁錮に当たる罪に係る事件のもの 30年
イ 長期20年の懲役又は禁錮に当たる罪に係る事件のもの 20年
ウ ア及びイに掲げる罪以外の懲役又は禁錮に当たる罪に係る事件のもの 10年
(2) 人を死亡させた罪であって禁錮以上の刑に当たるもの以外の罪について
ア 死刑に当たる罪に係る事件のもの 25年
イ 無期の懲役又は禁錮に当たる罪に係る事件のもの 15年
ウ 長期15年以上の懲役又は禁錮に当たる罪に係る事件のもの 10年
エ 長期10年以上15年未満の懲役又は禁錮に当たる罪に係る事件のもの 7年
オ 長期5年以上10年未満の懲役又は禁錮に当たる罪に係る事件のもの 5年
カ 長期5年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪に係る事件のもの 3年
キ 拘留又は科料に当たる罪に係る事件のもの 1年

2 心神喪失又は刑の免除により不起訴となった場合 5年

3 その他の理由(例えば,被疑者死亡,反則金納付済み,時効完成)により不起訴となった場合 1年

4 2の例外として,道路交通法違反事件又は自動車保管場所法違反事件の場合 1年

第8 少年事件記録の入手方法

1(1)ア 少年保護事件(=少年事件)とは,家庭裁判所における非行少年の事件をいい,交通事故の加害者が未成年者である場合,少年事件となります。
イ ここでいう少年とは,20歳に満たない者をいい(少年法2条1項),女性も含みます。
(2) 家庭裁判所が少年事件を扱う手続を少年審判手続又は少年保護事件手続といいます。

2 少年保護事件手続は,決定までの過程として,①非行少年の家裁への送致,通告→②家庭裁判所調査官等による調査→③審判開始決定→④調査結果を踏まえた審判という流れをとるのが原則です。

3(1) 少年事件の記録にはいわゆる法律記録及び社会記録があり,少年事件の係属中はもちろん,家庭裁判所の保護処分決定によって完結されたものについても家庭裁判所に保管されます。
(2) 法律記録は,非行事実の有無等に関する記録であり,社会記録は,要保護性に関する記録です。

4 少年事件の被害者等又は被害者等の委託を受けた弁護士は,審判開始決定(少年法21条)の発令後,保護事件を終局させる決定が確定してから3年を経過するまでの間(少年法5条の2第2項参照),原則として法律記録の閲覧又は謄写ができます(少年法5条の2第1項)。

第9 訓令及び通達

1 訓令
(1)   訓令は,各省大臣等がその機関の所掌事務について命令又は至達するため,  所管の諸機関や職員に対して発するものであり(国家行政組織法14条2項),行政組織内部における規律を定めるもので,原則として法規の性質を持たず,私人に対する拘束力を有するものではありません(名古屋地裁平成23年4月22日判決)。
(2) 法務省の場合,法務省訓令(例えば, 検察庁事務章程(昭和60年4月6日法務省訓令第1号))は官報掲載を必要とする訓令であるのに対し,法務大臣訓令は官報掲載を必要としません。

2 通達
  通達は,行政上の取扱いの統一性を確保するために,上級行政機関が下級行政機関に対して発する法解釈の基準であって,国民に対し直接の法的効力を有するものではないとはいえ,通達に定められた事項は法令上相応の根拠を有するものであるとの推測を国民に与えるものです(最高裁平成19年2月6日判決)。

1 相談予約の電話番号は06-6364-8525であり,交通事故及び債務整理の初回の面談相談は無料であり,相続情報公開請求等の面談相談は30分3000円(税込み)です。
   交通事故及び債務整理については,無料の電話相談もやっています。
  
2 執務時間は原則として平日の午前10時から午後7時30分までですが,事前のご予約があれば,午後8時30分まで夜間相談可能です。
 
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)の略歴取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ等はこちらであり,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図はこちらです。