医師に関する法規制等

第0 目次

第1 医師に関する法規制等
第2 医師の守秘義務
第3 医療安全支援センター
第4 日本の医療制度の概要等

* 「交通事故の診療費算定基準」も参照して下さい。

第1 医師に関する法規制等

1 医師法(昭和23年7月30日法律第201号)及び歯科医師法(昭和23年7月30日法律第202号)は昭和23年10月27日に施行された法律です。

2 医師でなければ,医業をすることができません(医師法17条)し,歯科医師でなければ,歯科医師業をすることができません(歯科医師法17条)。

3(1) 診療に従事する医師は,診察治療の求めがあった場合,正当な事由がなければ,これを拒んではなりません(医師法19条1項)。
    同様に,診療に従事する歯科医師は,診察治療の求めがあった場合,正当な事由がなければ,これを拒んではなりません(歯科医師法19条1項)。
(2) 診察若しくは検案をし,又は出産に立ち会った医師は,診断書若しくは検案書又は出生証明書若しくは死産証書の交付の求めがあった場合,正当の事由がなければ,これを拒んではなりません(医師法19条2項)。
    同様に,診療をなした歯科医師は,診断書の交付の求めがあった場合,正当な事由がなければ,これを拒んではなりません(歯科医師法19条2項)。
(3) 医師は,自ら診察しないで治療をし,若しくは診断書若しくは処方せんを交付し,自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し,又は自ら検案をしないで検案書を交付してはなりません(医師法20条本文)。
    ただし,診療中の患者が受診後24時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については,この限りでありません(医師法20条ただし書)。
    同様に,歯科医師は,自ら診察しないで治療をし,又は診断書若しくは処方せんを交付してはなりません(歯科医師法20条)。
(4) 人の健康上の状態に関する判断を包含する医師の証明書は医師法20条の「診断書」に当たります(最高裁昭和30年12月2日決定,及び最高裁昭和31年4月10日判決参照)。
(5) 医師は,死体又は妊娠4月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければなりません(医師法21条)。
(6) 医師法21条にいう死体の「検案」とは,医師が死因等を判定するために死体の外表を検査することをいい,当該死体が自己の診療していた患者のものであるか否かを問いません(最高裁平成16年4月13日判決)。
(7) 死体を検案して異状を認めた医師は,自己がその死因等につき診療行為における業務上過失致死等の罪責を問われるおそれがある場合にも,本件届出義務を負うとすることは,憲法38条1項に違反しません(最高裁平成16年4月13日判決)。

4(1) 医師は,原則として,患者に対し治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認めた場合,患者又は現にその看護に当っている者に対して処方せんを交付しなければなりません(医師法22条)。

    同様に,歯科医師は,原則として,患者に対し治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認めた場合,患者又は現にその看護に当っている者に対して処方せんを交付しなければなりません(歯科医師法21条)。
(2) 医師は,診療をしたときは,本人又はその保護者に対し,療養の方法その他保健の向上に必要な事項の指導をしなければなりません(医師法23条)。
    同様に,歯科医師は,診療をしたときは,本人又はその保護者に対し,療養の方法その他保健の向上に必要な事項の指導をしなければなりません(歯科医師法22条)。
(3) 医師は,診療をしたときは,遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければなりません(医師法24条1項)。
    同様に,歯科医師は,診療をしたときは,遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければなりません(歯科医師法23条1項)。
(4) 医師の診療に関する診療録は5年間保存する必要があります(医師法24条2項)。
    同様に,歯科医師の診療に関する診療録は5年間保存する必要があります(歯科医師法23条2項)。

5(1) 医業とは,反覆継続の意思をもって医行為をすることをいいます(最高裁昭和28年11月20日決定)。
(2) 印象採得(いんしょうさいとく),咬合採得(こうごうさいとく),試適(してき),嵌入(かんにゅう)が歯科医業に属することは歯科医師法17条及び歯科技工士法20条の規定に照らし明らかでありますところ,当該施術は総義歯の作り換えに伴う場合であっても,同じく歯科医業の範囲に属します(最高裁大法廷昭和34年7月8日判決)。
    なぜなら,施術者は右の場合であっても,患者の口腔を診察した上,施術の適否を判断し,患部に即応する適正な処置を施すことを必要とするものであり,その施術の如何によっては,当該法条にいわゆる患者の保健衛生上危害を生ずるおそれがないわけではないからです。
(3) 歯科技工とは,特定人に対する歯科医療の用に供する補てつ物,充てん物又は矯正装置を作成し,修理し,又は加工することをいいます(歯科技工士法2条1項)。
(4) 歯科医師法17条,29条1項1号が,明らかに患者に対し保護衛生上危害を生ずるおそれのある行為のみに適用されるとの限定解釈を施さなくても,憲法31条,22条1項に違反しません(最高裁昭和59年6月19日判決)。
(5) コンタクトレンズの処方のために行われる検眼及びテスト用コンタクトレンズの着脱の各行為は,いずれも医師法17条にいう「医業」の内容となる医行為に当たります(最高裁平成9年9月30日判決)。 

第2 医師の守秘義務

○医師は,正当の理由がないのに,その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは,6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処せられます(刑法134条1項)。
   その趣旨は,医師が基本的な医行為を行う過程で常に患者等の秘密に接し,それを保管することになるという医師の業務に着目して,業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らすことを刑罰の対象とする点にあります。
   そのため,刑法134条は,第一次的には,このような患者等の秘密を保護するため,第二次的には,患者等が安心して医師に対し秘密を開示することができるようにし,医師の基本的な医行為が適正に行われるようにすることを企図し,いわば医師の業務自体を保護することも目的として制定されたものといえます(最高裁平成24年2月13日決定における裁判官千葉勝美の補足意見参照)。

第3 医療安全支援センター

1 医療安全支援センターは,医療法6条の13に基づき,都道府県,保健所を設置する市及び特別区により,日本全国で380カ所以上設置されています。
 
2 外部HPの「医療安全支援センターとは」によれば,医療安全支援センターの業務は以下のとおりです。
① 患者・住民からの苦情や相談への対応(相談窓口の設置)
② 地域の実情に応じた医療安全推進協議会の開催
③ 患者さん・住民からの相談等に適切に対応するために行う、関係する機関、団体等との連絡調整
④ 医療安全の確保に関する必要な情報の収集及び提供
⑤ 研修会の受講等によるセンターの職員の資質の向上
⑥ 医療安全の確保に関する必要な相談事例の収集、分析及び情報提供
⑦ 医療安全施策の普及・啓発
 
3(1) 大阪府下の医療安全支援センターの連絡先は,外部HPの「全国の医療安全支援センター 大阪府」に掲載されています。
   大阪府健康医療部が行う医療相談(大阪府HPの「医療相談」参照)のほか,大阪府下の保健所が行う医療相談があります(大阪府HPの「保健所における医療相談窓口」参照)。
(2)   大阪市の場合,大阪市医療安全相談窓口(患者ほっとライン)が設置されています。

第4 日本の医療制度の概要等

1 全国健康保険協会の「医療計画と地域医療構想に関する基礎的ハンドブック」(2015年3月)末尾1頁には,以下の記載があります。
   国民皆保険制度をとるわが国では、「医療提供体制」、「医療保険制度」を両輪とする医療制度が構築されています。厚生労働省内の分担としては、主に医療提供体制については医政局が、医療保険制度については保険局の担当となっています。
   このうち「医療提供体制」については、医療従事者を扱った「人的規制」や、医療機関を扱った「施設規制」によるコントロールが行われています。「医療保険制度」については、「自己負担・保険による負担・公費負担をどのように組み合わせて医療費を負担するか」という視点や、「どのような医療を診療報酬等によって高く評価し、社会に広めてゆくか」という視点での制度構築が行われています。

2 厚生労働省HPの「医療計画」には,平成25年度から実施されている第6次医療計画,平成30年度から実施される予定の第7次医療計画等が記載されています。
   また,都道府県医療計画の掲載ページへのリンクもあります。
1(1) 交通事故(検察審査会を含む。)及び債務整理の初回の面談相談は無料であり,相続情報公開請求等の面談相談は30分3000円(税込み)です。
   交通事故及び債務整理については,無料の電話相談もやっています。
(2) 相談予約の電話番号は「お問い合わせ」に載せています。
  
2 執務時間は原則として平日の午前10時から午後7時30分までですが,事前のご予約があれば,午後8時30分まで夜間相談可能です。
 
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)については,略歴及び取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図を参照してください。