交通事故事件の刑事記録

第0 目次

第1  簡約特例書式による刑事記録
第2  簡約特例書式の正確な適用範囲
第3  簡約特例書式作成上の特有の注意事項
第4  現場の見分状況書(簡約特例書式)の記載要領
第5  特例書式による刑事記録
第6  特例書式作成上の特有の注意事項
第7  実況見分調書(特例書式)の記載要領
第8  交通事故現場見取図の記載要領
第9  実況見分調書に関する犯罪捜査規範の条文
第10 送致及び送付に関する犯罪捜査規範の条文

*1 「犯罪事件受理簿等の様式について」(平成29年1月31日付の警察庁刑事局長通達)の犯罪事件受理簿,犯罪事件処理簿及び交通法令違反事件簿を見れば,警察が事件を受理する際,どういうことを確認するかが分かります。
*2 「交通事故事件の刑事記録の入手方法」及び「交通事故被害者が警察に対応する場合の留意点」も参照してください。

第1 簡約特例書式による刑事記録

1 自動車運転死傷行為処罰法が施行された平成26年5月20日以降,交通事故直後に警察に提出した診断書を基準として,被害者の加療期間が約3週間以下の交通事故の場合,原則として,簡約特例書式による刑事記録が作成されます。
  ただし,被疑者と被害者の供述が食い違ったり,加療期間1週間を超える被害者が処罰を望む意思を明確に示していたりした場合,特例書式による刑事記録が作成されます。

2(1)   「過失運転致傷等事件に係る簡約特例書式について」(平成26年5月14日付の警察庁交通局長・刑事局長通達) によれば,簡約特例書式による刑事記録の表題は,以下のとおりです。
様式第1号  送致書・捜査報告書
様式第2号  現場の見分状況書
様式第3号  被疑者供述調書
様式第4号  被害者供述調書
様式第5号  捜査報告書(継続)-被害者一覧表-
(2) 過失の認定に必要な事実に関して被疑者が否認するおそれがなく,かつ,被害者が警察署等に出頭しなかった場合,被害者供述調書に代えて,電話等で聴取した供述の内容を記載した捜査報告書が作成されることがあります。

送致書・捜査報告書(簡約特例書式)
被疑者供述調書(簡約特例書式)
被害者供述調書(簡約特例書式)
捜査報告書(継続)(簡約特例書式)

第2 簡約特例書式の正確な適用範囲

   「過失運転致傷等事件に係る簡約特例書式について」(平成26年5月14日付の警察庁交通局長・刑事局長通達)の「第2 簡約特例書式の適用範囲について」によれば,以下のとおりです。
  なお,文中の「事実の重要な部分」とは,過失の認定に必要な事実をいいます。

  過失運転致傷事件,自動車過失運転傷害事件,道路交通法第2条所定の車両又は路面電車(以下「自動車等」という。)による業務上過失傷害事件及び自転車運転又は自動車等のドアの開放に起因する(重)過失傷害事件のうち,被害者の受けた傷害の程度が約3週間以下の事件(加療期間が診断時において受傷日から起算して3週間と2日までの事件をいう。被害者が複数の場合は,最も重い傷害の程度が3週間と2日までの事件をいう。以下同じ。)及びこれに関連する道路交通法違反事件に適用する。
  ただし,次に掲げる事由のいずれかに該当する事件は除くこととする。
1 外国人(日本語を理解する者を除く。)が被疑者又は被害者である事件
2 告訴又は告発に係る事件
3 被疑者を逮捕した事件
4 証拠品を押収した事件
5 事実の重要な部分について,被疑者が否認し,又は被疑者の供述と相被疑者若しくは被害者その他の参考人の供述が食い違う事件
6 無免許運転,酒酔い運転,酒気帯び運転(身体に制令で定める程度未満のアルコールを保有する状態にあったものを含む。)又は赤色信号無視(同信号の感化を含む。)のいずれかが事故原因となり,又はこれらを伴う事件
7 過労,薬物使用,薬物影響,病気その他の事由により正常な運転ができない状態での運転(居眠り運転を含む。)が事故原因となり,又はこれを伴う事件
8 次に掲げる違反のいずれかが事故原因となり,又はこれを伴う事件(当該違反が事故と無関係であることが明白な場合を除く。)
(1) 車両通行禁止場所通行
(2) 最高速度遵守義務の著しい違反(時速30キロメートル以上の速度超過をいう。)
(3) 追越しに関する義務違反
9 救護措置義務違反を伴う事件
10 事故不申告を伴う事件(現場における当事者間での不申告に関する合意等があったものを除く。)
11 人が住居の用に供し,又は人が現在する建物に自動車等を突入させた事件
12 社会の注目を引くなど事案の性質上本書式になじまない事件
13 被害者が処罰を望む意思を明確に示している事件
  ただし,傷害の程度が約1週間以下の事件(加療期間が診断時において受傷日から起算して1週間と2日までの事件をいう。被害者が複数の場合は,最も重い傷害の程度が1週間と2日までの事件をいう。以下同じ。),及び傷害の程度が約1週間を超え,約2週間以下の事件(加療期間が診断時において受傷日から起算して2週間と2日までの事件をいう。被害者が複数の場合は,最も重い傷害の程度が2週間と2日までの事件をいう。以下同じ。)であって事故原因又は事故に伴う違反等が安全運転義務違反にとどまるものはこの限りではない。
14 被害者の受けた傷害の程度が約2週間を超え,約3週間以下の事件のうち,次のいずれかに該当するもの
(1) 次に掲げる違反のいずれかが事故原因となり,又はこれを伴う事件(当該違反が事故と無関係であることが明白な場合を除く。)
ア 赤色点滅信号無視(同信号の看過を含む。)
イ 通行区分違反
ウ 優先道路通行車両の進行妨害
エ 指定場所における一時停止義務違反
オ 電話の使用又はテレビ画像への脇見
カ 整備不良車両又は制動装置が故障している車両の運転
(2) 歩道,路側帯,横断歩道(直近1メートル以内を含む。),自転車横断帯(直近1メートル以内を含む。)又は安全地帯において,歩行者又は自転車乗車中の者に傷害を負わせた事件(自転車が通行することができることとされている歩道,路側帯及び自転車横断帯における自転車運転に起因する事件を除く。)

第3 簡約特例書式作成上の特有の注意事項

   「過失運転致傷等事件に係る簡約特例書式の運用について」(平成26年5月14日付の警察庁交通局長・刑事局長通達) 添付の「簡約特例書式の運用要領」の「第1・2 簡約特例書式作成上の注意事項」によれば,簡約特例書式作成上の特有の注意事項は以下のとおりです。

(1) 書式使用上の留意事項
   簡約特例書式を使用して,過失運転致傷等事件のほか道路交通法違反を同時に送致するか等の取扱いについては,別途定められたところによる。
(2) 送致期限
   簡約特例書式による送致は,事件発生日から2ヶ月以内に行うものとする。
(3) 書類の編てつ順序
   書類は左とじとし,その編てつ順序は次によること。
  なお,被害者が複数の場合は,捜査報告書(継続)(様式第5号)を送致書・捜査報告書に添付すること。
ア 単独送致の場合
(ア) 送致書・捜査報告書
(イ) 現場の見分状況書
(ウ) 被疑者供述調書
(エ) 被害者供述調書又は被害者事情聴取捜査報告書
(オ) 診断書その他の書類
イ 一括送致の場合
  2人以上を同時に送致する場合は,次の順序で編てつして送致書上部欄外に「2件2名」等と朱書きすること。
(ア) 送致書・捜査報告書(A者,B者の順)
(イ) 現場の見分状況書
(ウ) 被疑者供述調書(A者,B者の順)
(エ) 診断書その他の書類
  なお,被害者供述調書又は被害者事情聴取捜査報告書を作成したときは,その調書又は捜査報告書は被疑者供述調書の次に編てつする。
(4) 関係書類の追送
ア 事件記録を送致した後に,新しい診断書又は示談書等が提出されたり,被害者の処罰意思が明確に示されたときには,捜査報告書等でその経緯・内容を明らかにし,速やかにこれを関係書類追送書(司法警察職員捜査書類基本書式例様式第57号)によって追送すること。
イ 検察官から,必要に応じ,縮尺交通事故現場見取図の作成,被疑者・被害者の再取調べ,診断書の再取得等の補充捜査の要請があった場合には,その要請に応じ補充捜査を実施し関係書類を追送すること。
   また,少年事件について,家庭裁判所から審判のため縮尺交通事故現場見取図の作成等補充捜査の要請があった場合も,これに応じて捜査を尽くすこと。

第4 現場の見分状況書(簡約特例書式)の記載要領

「過失運転致傷等事件に係る簡約特例書式の運用について」(平成26年5月14日付の警察庁交通局長・刑事局長通達) 添付の「簡約特例書式の運用要領」の「第2・2 現場の見分状況書」によれば,現場の見分状況書の記載要領は以下のとおりです。

(1) 作成日欄
   作成年月日を記載すること。
(2) 見分者欄
   見分者の官職及び氏名を記載し、押印すること。
   なお、現場の見分状況書の作成者が、見分者と異なる場合には、図面記載枠内の下部に当該作成者の官職及び氏名を記載し、押印すること。
(3) 見分日時欄
   見分日時は正確に記載すること。
   天候は上記日時の天候を記載すること。
(4) 発生日時欄
   第2. 1、 (3)、アのとおり。
(5) 発生(見分)場所
   第2. 1 (3)、イのとおり。
(6) 見取図欄
ア 路面
   路面状況について、不動文字の該当事項を〇で囲むこと。不動文字記載事項に該当しない場合は、( )内に「凍結」、「積雪約〇cm」、「泥ねい」等と記載すること。
イ 照明
   照明は、夜間事故について夜間見分した場合のみ、不動文字の該当事項を〇で囲むこと。
ウ 規制
   被疑車両(甲)及び被害車両(相手当事者)(乙)の進行した道路の交通規制について、最高速度について記載するとともに、「ー時停止」の規制が行われているときについては、ロ印の中にレを付けること。
   その他、「駐車禁止」、「追い越しのための右側部分はみ出し禁止」、「一方通行」、「転回禁止」、「優先道路」、「歩行者横断禁止」、「右(左)折禁止」等の交通規制が行われているときは、空白部分のロ印の中にレを付け、当該交通規制の内容を記載すること。
エ 信号機
   現場道路の信号機の有無について、「あり」又は「なし」を〇で囲むとともに、設置されている場合は、図面に信号機設置状況を記載するほか、立会人の指示説明に基づく各信号の表示状況を記載すること。
オ 見通し
   被疑車両(甲)及び被害車両(相手当事者)(乙)の進行した道路の見通し状況について、不動文字の該当事項を〇で囲むこと。( )内には、「右方」 又は「左方」と記載すること。
カ 測定距離
   測定距離は図面に図示するほか、指示説明欄で記載した各地点の相互の距離を、測定結果に基づき記載すること。
キ 勾配
   被疑車両(甲)及び被害車両(相手当事者)(乙)の進行した道路の勾配状況について、不動文字の該当事項を0で囲むこと。
ク スリップ痕
   スリップ痕はその状況及び長さを図面に図示するほか、本欄に当事者甲、乙の別及び車輪ごとの長さを記載すること。
ケ 立会人
   原則として当事者を立ち会わせること。ただし、当事者のいずれかが病院等に収容されたような場合は、立会可能な当事者等を立ち会わせること。
   病院等に収容された当事者が立会可能になった場合は、その段階でその者を立ち会わせて改めて実況見分を行うこと。ただし、1回目の見分により真相が究明され、後日問題となるおそれがない場合で、その見分を被疑者の立会いの下で実施しているときは、この限りではない。
コ 立会人の指示説明
(ア) 特定地点の指示説明
   立会人の指示説明は、現場での立会人の指示説明の中から、事故の状況を明らかにするため、必要と認められる地点を特定して記載し、事故の形態により、その順序が逆になる場合もあるが、できるだけ不動文字を生かして活用すること。
   なお、立会人の指示は、必要に応じ、1つの枠内に相手の位置も併せて記載することとし、事故状況から関係のないものは空欄としておくこと。
   「 した地点」の記載は、例えば、「わき見をした地点」等と記載し、さらに補充する必要がある場合は、空欄を利用すること。
(イ) 立会人が2人以上である場合
   立会人それぞれの指示内容がおおむねー致するときは、指示説明欄の記載については、被疑者以外の者の指示説明を記載する必要はないが、その場合は、立会人氏名欄にその立会人の氏名を記載し、指示説明欄にその指示説明内容が被疑者のそれとおおむね一致していることを記載すること。
サ 図面
(ア) 方位は、必ずしも上位を北とする必要はないが、方位は矢印をもって正確に表示すること。
(イ) 凡例は、必要に応じて不動文字に加えて追記すること。その場合は、特例書式の交通事故現場見取図の凡例に従うこと。
(ウ) 測定距離は、衝突、接触、追突の地点から道路側端まで直角に測った距離も記載すること。
(エ) 図面は、衝突地点等を始め他の指示説明等の各地点を明確に記載するなど、過失の認定がしやすいように作成すること。作成に当たっては、正確な縮尺によって記載する必要はなく、フリーハンドで記載すれば足りる。
   ただし、道路の形状に応じて相似形を作成し、車両、道路幅員、関係距離等相互の比例を失わないように記載すること。
(オ) 見通しを妨げたり、交通の妨害となるような駐停車車両、道路工事箇所等事故に関係があると認められる物件、場所、範囲等は必ず表示しておくこと。
(カ) 道路標識を図面に表示した場合、適当な箇所に( )を設け、その中にその規制の内容を記載すること。
(キ) 後日の再現を考慮し、2基点方式により衝突(接触、追突)地点を測定し、当該基点の名称及び距離を図面に記載すること。
(ク) 実況見分をした交通事故現場等で交通事故現場見取図(原図)を作成した場合においては、現場の見分状況書の記載のー部を省略して、交通事故現場見取図(原図)により代用することができる。
   なお、交通事故現場見取図(原図)の書式を別紙1のとおり定めたので、 各都道府県において、当該書式を定めること。
   この場合において、各都道府県警察においてはその実情に応じて一部変更を加えることは差し支えなく、また、既に当該書式を定めている都道府県にあっては、引き続き当該書式により運用しても差し支えない。
シ その他
   本見取図又は交通事故現場見取図(原図)で現場の状況を明らかにすることができないときは、適宜補充用紙を使用すること。
現場の見分状況書(簡約特例書式)
交通事故現場見取図(原図)(簡約特例書式)

第5 特例書式による刑事記録

1 自動車運転死傷行為処罰法が施行された平成26年5月20日以降,交通事故直後に警察に提出した診断書を基準として,被害者の加療期間が約3週間を超える交通事故の場合,特例書式による刑事記録が作成されます。

2   「過失運転致傷等事件に係る特例書式について」(平成26年5月14日付の警察庁交通局長・刑事局長通達) によれば,特例書式による刑事記録の表題は,以下のとおりです。
様式第1号(その1)  送致書
同   (その2)   被疑事実の要旨
様式第2号(その1)  実況見分調書
同   (その2)
様式第3号(その1)  交通事故現場見取図
様式第4号(その1)  被疑者供述調書
同   (その2)
様式第5号(その1)  被害者供述調書
同   (その2)
様式第6号(その1)  参考人供述調書
同   (その2)   供述調書継続用紙

送致書(特例書式)1/2
送致書(特例書式)2/2
被疑者供述調書(特例書式)1/2
被疑者供述調書(特例書式)2/2

第6 特例書式作成上の特有の注意事項

   「過失運転致傷等事件に係る特例書式の運用について」(平成26年5月14日付の警察庁交通局長・刑事局長通達) 添付の「特例書式の運用要領」の「第1・2 特例書式作成上の注意事項」によれば,特例書式作成上の特有の注意事項は以下のとおりです。

(1) 書式使用上の留意事項
   特例書式を使用して過失運転致傷事件,自動車運転過失傷害事件及び業務上過失傷害事件のほか,道路交通法,道路運送法,道路運送車両法,自動車損害賠償保障法,自動車の保管場所の確保等に関する法律違反等(以下「交通関係法令違反事件」という。)を同時送致するかどうの取扱いについては,別途定められたところによる。
(2) 書類の編てつ順序
   書類は左とじとし,その編てつ順序は次によること。
ア 単独送致の場合
(ア) 送致書・捜査報告書
(イ) 実況見分調書
(ウ) 被疑者供述調書
(エ) 被害者供述調書
(オ) 参考人供述調書
(カ) 診断書その他の書類
イ 一括送致の場合
  2件以上を同時に送致する場合は,次の順序で編てつして送致書上部欄外に「2件2名」等と朱書すること。
(ア) 送致書・捜査報告書(A者,B者の順)
(イ) 実況見分調書
(ウ) 被疑者供述調書(A者,B者の順)
(エ) 参考人供述調書
(オ) 診断書その他の書類
  なお,被害者供述調書を作成したときは,その調書は被疑者供述調書の次に編てつすること。
(3) 関係書類の追送
   事件記録を送致した後に,新しい診断書又は示談書等が提出された場合は,速やかにこれを関係書類追送書(司法警察職員捜査書類基本書式例様式第57号)によって追送すること。

被害者供述調書(特例書式)1/2
被害者供述調書(特例書式)2/2
参考人供述調書(特例書式)1/2
参考人供述調書(特例書式)2/2

第7 実況見分調書(特例書式)の記載要領

「過失運転致傷等事件に係る特例書式の運用について」(平成26年5月14日付の警察庁交通局長・刑事局長通達) 添付の「特例書式の運用要領」の「第2・2 実況見分調書」によれば,実況見分調書の記載要領は以下のとおりです。

(1) 見分日時
   見分日時は正確に記載すること。
   天候は上記日時の天候を記載すること。
(2) 見分場所
   被疑者の本籍、住居と同様番地号まで正確に記載すること。
(3) 立会人
   原則として当事者を立ち会わせること。ただし、当事者のいずれかが病院等に収容されたような場合は、立会可能な当事者等を立ち会わせること。
   病院等に収容された当事者が立会可能となった場合は、その段階でその者を立ち会わせて改めて実況見分を行うこと。ただし、1回目の見分により真相が究明され、後日問題となるおそれがない場合で、その見分を被疑者の立会いの下で実施しているときは、この限りでない。
(4) 現場道路の状況
ア 路面状況
   該当のロ印の中にレを付けること。
   適合する不動文字がない場合は、余白のロ印の中にレを付け、適合する字句を記載すること。
イ 交通規制
   事故当時車両が進行してきた道路の交通規制について該当のロ印の中にレを付けること。適合する不動文字がない場合は、余白のロ印の中にレを付け、 適合する字句を記載すること。
   なお、最高速度については、規制が行われていた場合のみその規制速度を記載すること。
()内には、事故当時、日又は時間を限って交通規制が行われていた場合にその規制の日又は時間を記載すること。
   交差点事故において、交差道路の速度規制が異なる場合には、本欄の最高速度には、被疑者が進行した道路の最高速度を記載し、被害者が進行した道路の最高速度は「その他見分状況」欄に記載すること。
ウ 道路条件
(ア) 該当のロ印の中にレを付けること。
(イ) 勾配は、どの方向へ下り勾配を形成しているかを記載し、その程度を明らかにすること。
(ウ) 夜間の明暗は、夜間事故について夜間見分をした場合にのみ記載すること。
(エ) 見通しは、冒頭の空白部分に運転者の氏名を記載の上、それぞれの進行方向から事故の相手方が進行してきた方向及び運転者の注意義務を認定する上において関係のある方向についての見通しの状況について記載すること。
(5) 運転車両の状況
ア 冒頭の余白部分に運転者の氏名を記載すること。
イ ハンドルの位置は、該当のロ印の中にレを付けること。
ウ 積載品、事故当時の積載重量及び事故当時の積載容量は、車両の積載関係
   事項の違反を道路交通法違反で送致する場合、又はそれが事故に関係がある場合にのみ記載すること。
エ 損害の部位・程度・状況は、実況見分時に判明している範囲で記載すること。
オ 実験結果は、該当のロ印の中にレを付けること。また、掲げられている装置以外のもので、その事故の発生に影響があると認められ、実験を行ったものについては、末尾の空白部分にその装置名を記載し、その実験結果を記載すること。
   さらに、その装置不良が事故の原因となっている事件については、必要によりこの書式とは別に装置不良部分に関する実況見分調書を作成し、自動車整備士等の意見を求めた場合にあっては、参考人供述調書を作成すること。
   なお、実験する必要があると認められる場合で、実験に危険を伴うおそれがあったこと等により実験をすることができなかったときは、その旨を「その他」欄に記載すること。
カ その他は、装置不良の具体的状況、車両の改造状況、タイヤの摩耗状況、 スタッドレスタイヤ等の使用状況、タイヤチューンの着装状況、貨物の積荷の状況、運転視野を妨げた貼付物の状況、前照灯の照射距離等事故発生に影響のあると認められる事項について記述すること。
(6) その他見分状況
   本欄には、道路の凹凸状況、信号機のサイクル、雨・霧・煙等による視界の障害状況等現場の実況見分の結果、事故発生に影響のあると認められる事項について記述すること。
(7) 立会人の指示説明
ア 見通し距離
   事故発生時の状態において立会人が現実に見通した距離を
(ア) 前方の車両、歩行者等に対する事故であれば前方(右前方、左前方)、後方の車両、歩行者等に対する事故であれば後方(右後方、左後方)
(イ) 右(左)方から進行してきた車両、歩行者等に対する事故であれば右(左)方
等それぞれ必要な方向について記載すること。
   見通し距離の基点となる地点は、立会人が現実に見通しを確認した地点とすることが望ましいが、それが困難な場合は、事故を回避するために必要な措置をとらなければならなかったと思われる地点(進路変更地点、減速開始地点、右左折の合図をした地点、警音器を吹鳴した地点等)とすること。
イ 特定地点の指示説明
   立会人の指示説明事項3行目以下の特定地点の記載は、現場での立会人の指示説明の中から、事故の状況を明らかにするため、必要と認められる地点を特定して記載し、事故の形態により、その順序が逆になる場合もあるが、できるだけ不動文字を生かして活用すること。
   なお、事故状況から関係のないものは空欄としておくこと。また、5. 8.10.11及び12行のロ印については該当のものの中にレを付けること。
(ア) 3行の「  した地点は〇」の記載は、例えばわき見運転による事故
の場合「○〇のためわき見をした地点は①」等とし、さらに説明を補足する必要がある場合は、4行目の空欄も利用すること。
(イ) 5行の右・左折、後退の合図をした地点について、その時点で立会人が相手方を認識していない場合は、以下の相手の位置関係は空欄とすること。
(ウ) 12、 13行は、事故発生時に見通しを妨げたもの、運転操作に影響を及ぼしたものがあった場合に、その位置及び種類を記載すること。
   ただし、交差点の見通しを妨げている建物、樹木等は記載せず、例えば駐車車両、立看板等で事故発生の遠因となったものについてのみ記載すること。
ウ 立会人が2人以上である場合
   立会人それぞれの指示内容がおおむね一致するときは、指示説明欄の記載については被疑者以外の者の指示説明を記載する必要はないが、その場合は、 17行の「立会人 の指示説明」の空白部分にその立会人の氏名を記載し、 その下の余白部分にその者の指示説明内容が被疑者のそれとおおむね一致していることを記載すること。
   なお、立会人それぞれの指示内容がくい違う等により、各別に指示説明内容を記載する必要がある場合には、17行の「立会人 の指示説明」の空白部分にその立会人の氏名を記載し、その下の余白部分に上部記載の例にならって記載するとともに、それぞれの主張を明らかにするため必要に応じ交通事故現場見取図を各別に作成すること。
(8) 補助者
   本欄の「実況見分の補助をさせた」者とは、例えば、実況見分者とともに現場に赴き、距離の測定等を行うなど、実況見分を実質的に補助した者をいい、 単に交通整理に従事したにすぎない者等はそれに含まれない。 
実況見分調書1/2
実況見分調書2/2

第8 交通事故現場見取図

「過失運転致傷等事件に係る特例書式の運用について」(平成26年5月14日付の警察庁交通局長・刑事局長通達) 添付の「特例書式の運用要領」の「第2・3 交通事故現場見取図」によれば,実況見分調書の記載要領は以下のとおりです。

(1) 凡例
   「  の進路」欄には、該当箇所に運転者等の氏名を記載すること。
(2) 関係距離
ア 関係距離は図面に図示するほか、「関係距離」欄に記載すること。
イ スリップ痕はその状況及び長さを図面に図示するほか、「スリップ痕」欄に車輪ごとにその長さを記載すること。
ウ 衝突、接触、追突の地点から道路側端まで直角に測った距離も記載すること。
(3) 方位
   必ずしも上位を北とする必要はないが、方位は矢印をもって正確に表示すること。
(4) 図面
ア 図面は、道路の形状について正確に記載するとともに、車両、道路幅員、 関係距離等相互の比例を失わないように作成すること。
イ 見通しを妨げたり、交通の妨害となるような駐停車車両、道路工事箇所等事故に関係があると認められる物件、場所、範囲等は必ず表示しておくこと。
ウ 道路標識等を図面に表示した場合は、適当な箇所に()を設け、その中に規制の内容を表示すること。
エ 後日の現場再現を考慮し、2基点方式により接触(衝突、追突)地点を測定し、当該基点の名称及び距離を図面に記載すること。
(5) 写真撮影
   見分にあたっては、これに必要な写真を撮影し、所定の用紙に貼付の上説明を加えて、本調書の末尾に添付すること。
(6) その他
   本見取図で現場の状況を明らかにすることができないときは、適宜補充用紙を使用すること。
交通事故現場見取図

第9 実況見分調書に関する犯罪捜査規範の条文

○実況見分調書に関する犯罪捜査規範の条文は以下のとおりです。
○警察官が交通事故現場の実況見分を行った際,被疑者,被害者その他の関係者の指示説明の範囲をこえて,特にその供述を実況見分調書に記載する必要がある場合,関係者の署名押印を求めてきますものの,署名押印は拒絶することができます(犯罪捜査規範105条2項前段・刑事訴訟法198条5項ただし書)。

(実況見分) 
第百四条   犯罪の現場その他の場所、身体又は物について事実発見のため必要があるときは、実況見分を行わなければならない。 
2   実況見分は、居住者、管理者その他関係者の立会を得て行い、その結果を実況見分調書に正確に記載しておかなければならない。 
3   実況見分調書には、できる限り、図面及び写真を添付しなければならない。 
4   前三項の規定により、実況見分調書を作成するに当たつては、写真をはり付けた部分にその説明を付記するなど、分かりやすい実況見分調書となるよう工夫しなければならない。 
(実況見分調書記載上の注意) 
第百五条   実況見分調書は、客観的に記載するように努め、被疑者、被害者その他の関係者に対し説明を求めた場合においても、その指示説明の範囲をこえて記載することのないように注意しなければならない。 
2   被疑者、被害者その他の関係者の指示説明の範囲をこえて、特にその供述を実況見分調書に記載する必要がある場合には、刑訴法第百九十八条第三項 から第五項 までおよび同法第二百二十三条第二項 の規定によらなければならない。この場合において、被疑者の供述に関しては、あらかじめ、自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げ、かつ、その点を調書に明らかにしておかなければならない。 
(被疑者の供述に基づく実況見分) 
第百六条   被疑者の供述により凶器、盗品等その他の証拠資料を発見した場合において、証明力確保のため必要があるときは実況見分を行い、その発見の状況を実況見分調書に明確にしておかなければならない。 

第10 送致及び送付に関する犯罪捜査規範の条文

犯罪捜査規範193条ないし201条は以下のとおりです。

 (送致及び送付の指揮) 
第百九十三条   捜査を行つた事件について送致又は送付の手続をとるに当たつては、警察本部長又は警察署長の指揮を受けて行わなければならない。 

(関連事件の送致及び送付) 
第百九十四条   第十一章(少年事件に関する特則)に規定する場合を除き、関連する事件は、原則として、一括して送致又は送付するものとする。 

(送致書及び送付書) 
第百九十五条   事件を送致又は送付するに当たつては、犯罪の事実及び情状等に関する意見を付した送致書又は送付書を作成し、関係書類及び証拠物を添付するものとする。 

(送致又は送付後の捜査と追送) 
第百九十六条   警察官は、事件の送致又は送付後においても、常にその事件に注意し、新たな証拠の収集及び参考となるべき事項の発見に努めなければならない。 
2   事件の送致又は送付後において、新たな証拠物その他の資料を入手したときは、速やかにこれを追送しなければならない。 

(余罪の追送致(付)) 
第百九十七条   事件の送致又は送付後において、当該事件に係る被疑者につき、余罪のあることを発見したときは、検察官に連絡するとともに、速やかにその捜査を行い、これを追送致(付)しなければならない。 

(微罪処分ができる場合) 
第百九十八条   捜査した事件について、犯罪事実が極めて軽微であり、かつ、検察官から送致の手続をとる必要がないとあらかじめ指定されたものについては、送致しないことができる。 

(微罪処分の報告) 
第百九十九条   前条の規定により送致しない事件については、その処理年月日、被疑者の氏名、年齢、職業及び住居、罪名並びに犯罪事実の要旨を一月ごとに一括して、微罪処分事件報告書(別記様式第十九号)により検察官に報告しなければならない。 

(微罪処分の際の処置) 
第二百条   第百九十八条(微罪処分ができる場合)の規定により事件を送致しない場合には、次の各号に掲げる処置をとるものとする。 
一   被疑者に対し、厳重に訓戒を加えて、将来を戒めること。 
二   親権者、雇主その他被疑者を監督する地位にある者又はこれらの者に代わるべき者を呼び出し、将来の監督につき必要な注意を与えて、その請書を徴すること。 
三   被疑者に対し、被害者に対する被害の回復、謝罪その他適当な方法を講ずるよう諭すこと。 

(犯罪事件処理簿) 
第二百一条   事件を送致し、又は送付したときは、長官が定める様式の犯罪事件処理簿により、その経過を明らかにしておかなければならない。 
犯罪事件処理簿(一般犯罪・単独犯用)
犯罪事件処理簿(一般犯罪・共犯ありの場合)
犯罪事件処理簿(交通事故関係)
犯罪事件処理簿(交通事故関係・被疑者が3人以上の場合)
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